【機器修理】SONY TA-F333ESR プリメインアンプ
今回の修理は、「SONY TA-F333ESR プリメインアンプ(1988年製)」だ。電源部やヒートシンクにチューニングを施すことで完成度を高めたプリメインアンプと言うことだ。アンプ入門機ではあるが、バランスも良く価格も手ごろで、中古機でも人気があるようだ。 [修理の完了したSONY TA-F333ESR プリメインアンプ] アンプ修理は敷居が高くこれまで敬遠していた。電気工学の知識と測定機器がないと原因特定と調整ができないためだ。しかも、大きくて非常に重い。この機種でなんと21kg以上もある。 しかし、今回入手をきっかけにダメ元で挑戦してみた。■主な故障状況と原因セレクターやボリューム操作でガリガリ音がする(スイッチ類接点劣化)入出力できない端子がある(半田クラック)スピーカー出力が不安定(リレー接点劣化) 耳で聞く限り、上記以外の不具合はないようだ。オシロスコープで波形を測定すれば、耳では検出できない乱れを確認できるようだが、所持していないものは仕方がない。 と言うことで、いつもと変わらない作業内容で済ますことにした。早速分解。 外装の隙間から見えてはいたものの、凄まじい埃の積もり方だ。良い機器を使うからには、相応の定期メーカー保守を行ってやりたいところだ。クリーニングだけでも一苦労だ。 健康にも悪いので、取り急ぎ埃を吸引した。おぉ、思ったよりきれいだ。写真左から電源部(10kg以上の重量)、Aクラス段(12,000μF)とパワー段(24,000μF)用の電解コンデンサーとパワー段基板、ヒートシンク(放熱器)、Aクラス段基板だ。 各ユニットを全て降ろした。各部とも重たいので落下には要注意だ。怪我をすれば元も子もない。 [TA-F333ESRのGシャーシ] 無振動・無共振設計を追及したアコースティカリーチューンドGシャーシ(Acoustically Tuned Gibraltar Chassis)だ。 ごついシャーシだが、思いのほか軽量だ。素材を確認するとアルミ製ではなく、繊維強化炭酸カルシウムだそうだ。クリーニングのため、洗浄・乾燥した。 各ユニットのクリーニングと修理に取り掛かる。 [防振フレームを取り外し、全容を見せた巨大な電解コンデンサー] それにしても巨大なコンデンサーとヒートシンクだ。電源を入れてから使用可能状態になるまで、7秒ほどもかかるのはこいつに電気を貯めているためだろう。 各パーツは、左右対称に配置されており、整然と美しい。基板下部の左右にバイアス電圧調整用の半固定ボリュームが見える。 ヒートシンクを外すと硬質な透明のフィルムがはさまれていた。詳細は不明だが、硬くて脆く薄くはがれるので、雲母のようだ。耐熱性のある絶縁体として使用されていると推測したがどうだろうか? スピーカー切り替え用のリレーだ。密閉型ではないため、簡単にカバーを取り外し、クリーニングすることができた。 次はセレクターだ。接点数は異なるが、合計4つ使用されている。基板から取り外して分解すると、明らかにカーボンが付着し、汚れている。ここまで汚れが酷いと、少々接点復活剤を塗布した程度では復旧しない。丹念に汚れを取り除く。 入出力端子やスピーカー端子、スイッチ類も一つずつ汚れを取り除いた。 入出力端子の幾つかには、半田クラックが確認できた。念のため、各基板も含め主だった100箇所ほどの半田を修正した。 組み上げて動作確認をする。上記の症状は見事解消。ブログに書くとたいした作業に思えないが、実は延べ5日も要している。 修理も完了して気分も良いはずなのだが、なんとなく不満が残る。やはりオシロスコープで波形を見ながら調整できないことが不満なのだ。 どうやらアンプ修理は、再び敬遠ということになりそうだ。--- 分解清掃&修理したラジカセやコンポを出品中 --- ★京とんびの『もったいない』オークション★あの頃のカセットやCDを もう一度ラジカセで、コンポで聞く 懐かしい音楽とともに 過ぎし日々が甦る ♪~(-_-).o○