私が自前で太陽光発電システムを設置しない理由
陽光発電を含め、自然エネルギーを活用した発電には、大いに賛成だ。合わせて、便利すぎる生活を支える電気エネルギーの削減にも大賛成だ。 しかし、自費で自宅に太陽光発電システムを設置するのには、大きな抵抗を感じている。【理由1】例えば発電量が5kwのシステム一式で、約500kgの重量 設置するのは電気屋だ。屋根に500kg=0.5tの加重が常設された場合、我家の耐震性にどう影響するかの助言はできない。 因みに我が家は、過去行った耐震診断の結果、現状で「倒壊の危険性がある」と判定されているため、太陽光発電システムの追加設置は安全上大きな問題がある。 自分でも一般耐震診断用ソフト「木耐博士S」を使って確認したところ、耐震性の改善に最も効果があるのは、「軽い屋根にする」ことだった。つまり逆に言うと、「屋根が重いと地震に弱い」ということだ。 最も「瓦屋根(最も重い)」を「トタン屋根(最も軽い)」に葺き替え、かつ各所を耐震補強し、更に太陽光発電システムを追加設置できるほど、我が家が裕福ではないことが、より大きい理由だが... 各位も、太陽光発電システムを設置する前には、自宅の耐震性に問題が無いかを信頼できる建築設計士(大工さんでは計算できないことの方が多い)に相談し、「安全」を確認してから設置したほうが、「安心」だと思う。【理由2】電力会社から設置依頼に来る時代にしたい 原子力発電所の信頼性は、その他の方式の発電所の信頼性と同等以上だと思っている。しかし、一度放射性物質や放射能が漏洩・飛散・拡散してしまうと、その被害は甚大である。図らずも今回の大震災による原発事故が、これを証明した(悲しいことだ)。放射線の悪影響は、未来の担い手である子どもたちに大きいこと放射線の悪影響は、数年から数万年と長長期に渡って続くこと放射性物質の拡散範囲が広く、狭い国土では逃げ場も無いこと よって、早期に原子力発電から他の発電方式に移行することに賛成だ。現在、自然エネルギーによる発電で人気が高いのは、太陽光発電だ。 しかし、国土が狭く急峻な地形の我が国では、新たに大量の太陽光パネルを設置できる場所は限られる。現実的な解は、既設住宅の屋根を活用することだ。 原子力発電所の建設等に必要な経費をこれに転用すれば、私たちが太陽光発電システムを自費で購入する必要は無い。必要なら、既設家屋の耐震補強も無償で実施してもらう。しかも、「自宅屋根使用料」として、毎月一定金額を電力会社から払ってもらう。 既に電柱の設置において、同様の仕組み(占用料金)が実績としてある。 また、自己所有では負担となる太陽光発電システムの故障や寿命取替えも、当然電力会社が費用負担して行うことになる。私たちが負担する必要はまったく無い(電気料金に含まれる)。どうだろうか。 このように考えれば、電力会社が太陽光発電の余剰電力を買取るために私たちに広く浅くその買取費用の負担を強いられることもない。 一方の電力会社も、既存のビジネスモデルを流用しながら、事故被害リスクが極めて大きい原子力発電から太陽光発電システムへと移行できる。 今回の震災や原発事故の被害地域から取り組めば、地域の再生復興と自然エネルギーの転換を同時に進められると思う。