【機器修理】SANYO MD-U4 MDラジカセ
今回の修理は、「SANYO MD-U4 MDラジカセ(発売日:1999年4月)」だ。1980年代に 「おしゃれなテレコU4」のCMキャッチコピーで一世を風靡した、同社ラジカセのU4シリーズを冠して発売された、MD搭載ラジカセだ(カセットデッキ非搭載。MDLP非対応)。本機はシルバー色で箱形の"MDG-U4T"だが、他にオレンジ色で外形に丸みのある"MDG-U4R"がある。[三洋(サンヨー) MDG-U4T][マスコットの「ダックスフント」がトコトコ歩く液晶表示] [別売のパソコン接続キットで、パソコンからMD編集が可能だったようだ] [専用AC電源アダプタ。乾電池でも使用可能] ■主な不具合症状と原因操作ボタンが全て誤動作する → タクトスイッチの劣化故障MD再生/録音不可 → 検出スイッチの劣化故障TUNERが雑音しか聞こえない → 操作ボタンが操作不可に起因。TUNERに故障なし外部入力が機能しない → MD録音可能な状態にしないと機能しない仕様(故障ではない)■修理 何とか電源は入ったが、大半の操作ボタンが誤動作するため、操作による各部の動作点検がほとんどできない。 まずは、これを解決する。 分解して操作部のスイッチ形式を確認したところ、滅多に見ない種類のタクトスイッチが表面実装されていた(写真の緑色のスイッチ)。アルプス電気社製のようだが、既に同社では同等品を製造していなかった。 数社を調査したところ、Panasonic社で代替可能なスイッチ(写真の白色のスイッチ)の製造を確認。全数17個を交換したところ、無事に操作ボタンの機能回復を確認した。 操作環境が回復したので、各部を操作し、機能点検を実施。TUNERは選局操作できなかっただけで、特に異常は無なかった。 一方、外部入力とMDは、全く機能しないことを確認できた。 結果的にMDは、同メカの状態を検出する検出スイッチ(5個)の内部接点劣化が原因であることが判明。いずれも入手困難なスイッチのため、接点回復剤を用いて機能の回復をはかった。 MD光ピックアップには、「SONY KMS-280A」、ATRAC ICは「SONY CXD2652AR」 が搭載されていた。MDメカニズムを含め、ユニットごとSONY社製と思われる。 これらの型番を調査すると、主にポータブルMDレコーダー(MDウォークマン)などの製品に搭載されるパーツと判明。確認できたところでは、SONY MZ-R50、AIWA MR-P1などに搭載されていた。 これらの説明書等を参照した結果、外部入力機能は、「MD録音可能な状態」にないと、入力信号をモニタできない仕様であるとの結論に至った。 具体的には、MD録音する必要はないが、「録音可能なMDが挿入されていること」、「その状態をMDデッキが正常に検出できること」が、必要条件だった。 本機種は、「ポータブルMDレコーダーにスピーカーが搭載されたもの」と理解した方が、仕様的に納得し易い。 その他にも多数の修理を行い、エージングを実施。作業を完了した。♪ あの頃の懐かしい や や を もう一度 てみませんか音楽と一緒に 懐かしい思い出が甦ります ♪☆ラジカセ・ミニコンポの【修理相談】はこちら!☆