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[詳しくはここをクリック]「じごくのそうべい」あらすじ軽業師のそうべえ、松の枝から酒蔵の屋根まで綱渡りをしていたら、バランスを崩してまっさかさま!死んでしまったことで出会った歯抜き師のしかい、医者のちくあん、山伏のふっかい4人は仲良く三途の川を渡り、閻魔大王様の前に引き出されて言いがかりをつけられ地獄行きが言い渡されてしまうのです。まず4人が放り込まれたのは、糞尿地獄。けれども最近は水洗便所が主流になってしまったので、糞尿地獄に糞尿が集まらなくて、底で固まっているだけです。困った閻魔大王は、人呑鬼に4人を飲ませてしまうことにしました。けれども、歯抜き師のしかいが人呑鬼の歯を全部抜いてしまった為、4人は丸呑みで人呑鬼のお腹の中へ・・・。鬼のお腹の中は色んなものが一杯ぶら下がっています。医者のちくあん先生が指差した紐をそうべえが思いっきり引っ張ると、人呑鬼は大きなくしゃみをし、ふっかいが棒を引くと、腹痛を起こして青くなってしまいます。こんな風にそうべいと4人の仲間が地獄で大暴れする愉快なお話です。人間国宝「桂米朝」のスケ-ルの大きい大型の上方落語「地獄八景亡者戯」(じごくはっけいもうじゃたわむれ)を元に田島征彦(たじまゆきひこ)さんが絵本にした「じごくのそうべい」上方落語がベ-スとあって、なかは「~してまんねん」「~しよった」「~しまひょか」などなど・・・軽快な関西弁で話が進んでいく地獄といえば昔は親やおじいちゃんおばあちゃんに説いて聞かせられたもの地獄の「針の山」「血の池地獄」「閻魔様に舌を抜かれる」その地獄の描写はこどもながらに「怖い」と感じたのもです。その代表作として芥川龍之介作の「蜘蛛の糸」などがあげられます。[詳しくはここをクリック](蜘蛛の糸の話まですると長い話がますます長くなるので、また今度紹介しますね)この田島征彦(たじまゆきひこ)さんの「じごくのそうべい」はまさに地獄を舞台にしているお話なのに、怪談というより冒険スペクタクルのような話で出てくる4人の地獄に落とされた者たちも根っからの悪党ではなく、小悪党達そのひょうひょうとした小悪党振りがなんだか小気味よいと感じてしまうそして四人で力を合わせて地獄から脱出その地獄での4人の暴れっぷりに笑わずにはいられない。kyuさんも大笑いで、毎日のようにこの本を持ってきます地獄を「怖い」という気持ち・・・怖いものがあるというのは大事なことだしそれによって人間は律される部分もある。怖いもの知らずというのもある意味怖いなぁ~と私は常々考えているので「蜘蛛の糸」もよく読み聞かせするのですがその後の凍った気持ちを笑いに変えてくれる痛快さそして田島征彦(たじまゆきひこ)さんの迫力満点の絵の描写が怖い地獄の様子とそれとは反対のお話のおもしろさを演出しいきいきと伝えてくれます♪この絵本は汚いモノ、腑に落ちないこと、人生のいろんな大変なことも笑い飛ばして陽気に現世をいきようじゃないか!そう力づけられているような気がしますそういった意味でも子供も大人もこの本を読んで大笑いしていろんなことを吹き飛ばせるそんな不朽の名作だと私は思います。