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カテゴリ:本の感想 作家別-な行
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。 13冊目 なぜかしらタイトルだけ覚えていてよく内容がわからないままに本屋にてピックアップ!ファンタジーと思いきや日々の生活を営むことの素晴らしさを静かに紡いだ作品でした。西の魔女とは主人公まいの母方の祖母で英国から日本に英語教師として来日し、まいの祖父と出会い結婚し娘を得て伴侶亡き後も日本で田舎に一人暮らしをしている。その西の魔女が亡くなったという知らせから まいはその2年前に不登校になった時、祖母と過ごした日々に想いをはせ物語ははじまります。 おばあちゃんの語る魔女とは先祖からの語り伝えられる知恵や知識を頼りに生活を営んでいた昔、 薬草の知識や自然と共存する知恵を豊富に持ち、カンがするどく超能力のような片鱗をもった人のこと。おばあちゃんのおばあちゃんがその魔女であり、まいにもその魔女の血が流れていると聞かされ魔女の修行をはじめます。 その修行とは規則正しい生活を送り、自分のことは自分で決めるという意志の力を磨くことで、朝何時に起き、午前中はこれを午後にはあれをと自分で決めた日課をきちんとこなすこと。そしてまいの修行が始まります。 この修行、一見なんでもないことのようですごく大切で幸せってどういうことだろうという深い意味をもったものだということが まいとおばあちゃんの共同生活の中でじっくりと語られていきます。なさけない話ですが自分が規則正しい生活を送っているかというとまるっきりなので反省しかりでした。 自己啓発本読むより効き目があるかも 悲しみや心躍ること、喜びの表現が実に美しく鮮やかな言葉で語られていてうなってしまいました。併録の「渡りの一日」はおばあちゃんとの生活の後、日々魔女の修行を大切にしているまいと友人との一日の物語、そしてあとがきにカバー装画の担当者の言葉と味わい深い作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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