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カテゴリ:本の感想 作家別-さ行
一児の母となった村上緑子は下町の所轄署に異動になり、穏やかに刑事生活を続けていた。その彼女の前に、男の体と女の心を持つ美人が現れる。彼女は失踪した親友の捜索を緑子に頼むのだった。そんな時、緑子は四年前に起きた未解決の乳児誘拐事件の話をきく。そして、所轄の廃工場からは主婦の惨殺死体が…。保母失踪、乳児誘拐、主婦惨殺。互いに関連が見えない事件たち、だが、そこには恐るべき一つの真実が隠されていた…。ジェンダーと母性の神話に鋭く切り込む新警察小説、第二弾。 23冊目 5月7日読了 緑子シリーズ第二作目です。日曜日の午後から少しづつ読もうと手に取ったのが大間違い 面白くてやめられず、結局読み終わったのが月曜日の深夜3時 つらい週明けとなりました。 ものすんごい遍歴を経て一児の母となっている緑子ですが、あいかわらずハードな刑事生活を続けていて地盤もしっかり固めています。 (あらすじだけ読むとエゴの固まりのように思えた)一作目より少しはまるくなったような,城本を除いて異動先の所轄でもなにげに人気者です。古巣の本庁や新宿署の人脈の広さをフルに活用して事件の核心にせまっていきます。 事件の発端は読んでいる途中で緑子同様 気がついてしまうのがご愛嬌ですが、他の事件との関連性などはぐいぐい読ませます。 事件の真相もそこに巻き込まれていく人たちも、自分の感情に真摯であるがために悲劇を呼んでしまうのがとても辛いです。 話題の麻生、山内もでてきます。花咲慎一郎シリーズでは巻を重ねるごとににいい人(?!)化している山内に、今作で初登場(多分)の麻生、女性陣にもてまくっていますが、刊行順に呼んでいない悲しさ、いや面白さ、緑子との恋人の話ににんまり。なんにも知らなければ事情聴取後の麻生の行動に驚愕したのでしょうが、ちと残念。 ハナちゃん(このシリーズの方が好き)の方はシーセッドヒーセッドまで読んだので、ちゃちゃっとこちらの三作目も読んで"聖なる黒夜"に行きたいところですが、話が重くて辛いのでもう少し間をあけて読んでこうと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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