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カテゴリ:本の感想 作家別-さ行
僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵の殻を見せて、僕を卵で産んだなんて言う。それでも、母さんは誰よりも僕を愛してくれる。「親子」の強く確かな絆を描く表題作。家庭の事情から、二人きりで暮らすことになった異母姉弟。初めて会う二人はぎくしゃくしていたが、やがて心を触れ合わせていく(「7’s blood」)。優しい気持ちになれる感動の作品集。 「僕は捨て子だ。その証拠に」 ではじまるあらすじと作品おすすめのポップカードが JRタワーの旭屋書店のエレベータ横にあってその見出しに 一瞬でくぎづけになりました。 でも買ったのは近所のTSUTAYA ごめんなさ~い。のこってた本は汚れてたり 折れてたりしてたし、 文庫の棚の所いってもなかったので、、、 人に貸すのも古本屋で本買うのも図書館で借りるのも 気にしないのですが これから買おうって時や 自分のドジで汚したりへんな箇所に折り目つけたりすると クラクラしてしまうたちなんです。 相方 「そんなんとかスーパーの袋きちんと折り畳むことよりテーブルの上散らかさないとか、 プリント、教科書おきっぱなしにしないとか、 とか、とか、他に気にするとこあるんじゃない?」] そんなのは置いておいて、(おいっ) 読み終わらないうちから楽しくて心あったまって、 おかしてくてふきだして、 うっかり涙がこぼれてきてしまう愛情にみちあふれた本です。 ポップ書いてくれた見ず知らずの店員さん 素敵な本の紹介ありがとう! 自分は捨て子なんじゃないか? この疑問は誰もが一度はもつ疑問じゃないでしょうか? そしてその疑問をもった側にとっては非常に深刻なのだけど 聞かれた側は「なに馬鹿なこと言っているの」だったり 「ついにきたか」だったり様々で、 主人公の小学校4年生の育生(いくお)も この疑問をもって祖父母や母親に問いかけます、 そして彼らの反応でこれはあやしいと思いこみます。 しかしそんな心配も母親である君子さん(実に素敵なひと)の前では 抱腹絶倒の一笑や二笑い、三笑い(こんな表現ありません)で吹き飛ばされてしまいます。 そしてタイトルにもかけられているへその「緒」の存在の有無 余談ですが、私も小学生の頃「へその緒ないの?」 と母に問いかけると 返ってきた返答が「そんなんどこに行ったかわからない!」 がが~ん「やっぱり私って、、、なんだ」と ありがちなショックを受けたのを思い出しました。 その数日後かはたまた何日か何年もたってかみせられたのは 生後何日目と何十日目だったかな? ちっちゃい足形と手形それも赤墨の 母曰く「手はわかるけど足までぐにゃぐにゃ閉じたり開いたりして形とるのにものすっごい苦労したわ」と 育生も これにまけずおとらず いえいえすっごい親子の証をみせられます。 70数ページ短編の中に もうぎゅうぎゅう詰めに愛情と優しさとユーモアが満ちあふれる物語です。 心がほこほこしてきてきます。 家族の繋がり、絆、愛する人の見分け方! 直球ストレートどまんなかの言葉の嵐がやってきます。 相手の愛情満ちあふれる行動と言葉をありのまま 素直にうけとり身をゆだねる心地よさに酔いしれます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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