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カテゴリ:本の感想 作家別-さ行
こちらは先日感想を書いた"卵の緒”に同時収録されているもう一遍です。
高校生の七子(ななこ)と小学生の七生(ななお) 名前からもうかがえるだけでなく容姿もそっくりな姉弟 ただ二人は異母兄弟で、七生はいわゆる父の愛人の子! 七子が七生の存在を知ったのは父が亡くなったとき、 そして実際に合ったのはつい最近で、 さらにひょうんなことから同居をはじめます。 七生の母がトラブルを起こししばらくの間一人っきりになってしまった彼を 七子の母が引き取ったからです。 一般的に考えると姉の七子が年上らしく あれやこれや七生をの世話をやいたり、 もしくは猛反発するかと思いきや、 小学4年生の七生は実にできぶつで世渡り上手でありながら 屈折したところも感じられない人当たりの良い子。 その態度に七子は多少の反発をおぼえぎくしゃくしているなか、 母が突然入院し 二人っきりの同居生活を余儀なくされます。 卵の緒とは一転 直球ストレートの言葉はありませんが、 七子のボーイフレンドもまじえてのひとときがあったりと 少しずつ七子のわだかまり、 七生のこれほどまでの処世術にいたった過程など、 解きほぐされていき、かけがえのない血の繋がりを感じていきます。 夜中にひからび腐りかけた誕生日ケーキをほおばったり、 オレンジ色の嫌~な雲がでている夕方にアイスクリームを食べ、 旅にでようとパジャマ姿で外にでておもうままに道をすすみ 行動をともにする二人、 エピソードを並べるとなんじゃそれは状態ですが、 二人の信頼感、情愛をはぐくんでいく素敵な物語です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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