|
カテゴリ:本の感想 作家別-か行
川上作品 三作目
小川洋子氏の書評本で紹介されていて 手にしたんですが、、、、 摩訶不可思議なお話ばかりの短編集 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 藪で、蛇を踏んだ。「踏まれたので仕方ありません」と声がして、蛇は女になった。「あなたのお母さんよ」と、部屋で料理を作って待っていた…。若い女性の自立と孤独を描いた芥川賞受賞作「蛇を踏む」。“消える家族”と“縮む家族”の縁組を通して、 現代の家庭を寓意的に描く「消える」。ほか「惜夜記」を収録。 踏んだ蛇がどろりと溶けて形をうしない 言葉を話して人間の形をとり 「あなたの母だ」と名乗り 主人公と同居をはじめる 、、、、、 なんとも 薄気味悪い話であるはずなのに 数行読むだけで ここは そんな非日常が 当然のことと受け止められている ごくごく普通の世界なんだということに ストン と納得がいきすらすらと読めてしまいます。 そして この不思議なはずの世界に 有無を言う間もなく 連れだされてしまったような 感覚を味わう話でした。 短編三作とも 私達の日常では おこりえない世界が舞台ではあっても 異世界という垣根が感じられず その一方で 親近感や既視感というものを 何一つ感じさせない 著者があとがきで 書いているところの 「うその世界」 不思議な世界の中においての 非日常な出来事に 解決策も打開する気力も持ち得ないまま ただ つづいていくであろう物語 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本の感想 作家別-か行] カテゴリの最新記事
|
|