Lake Moraine ～Book Cafe~

　録画してあった　おくりびとを鑑賞！

ずいぶん前から撮ってあったのですが
　ぼろぼろ泣きそうで　相方と一緒にみるのは
やだな～　と思い
　
「観よう！　観よう！」と誘う相方を
　　　　　　　　　　　　　　　↑　
　　(一人で　泣きの映画をみたくないタイプ)

　　牽制していたのですが

地上波放送で　ちらみすると　
　結構コミカルな部分が
　おおそうなのでと　横並びになって　鑑賞♪




納棺師･････それは、悲しいはずのお別れを、やさしい愛情で満たしてくれるひと
年齢問わず、高給保証！実質労働時間わずか。
旅のお手伝い。ＮＫエージェント！！
「あぁこの広告、誤植だな。"旅のお手伝い"ではなくて、安らかな"旅立ちのお手伝い"。」
求人広告を手にＮＫエージェントを訪れた主人公・大悟は、社長の佐々木から思いもよらない業務内容を告げられる。それは【納棺（のうかん）】、遺体を棺に納める仕事だった。戸惑いながらも、妻の美香には冠婚葬祭関係＝結婚式場の仕事と偽り、納棺師（のうかんし）の見習いとして働き出す大悟。
美人だと思ったらニューハーフだった青年、幼い娘を残して亡くなった母親、沢山のキスマークで送り出される大往生のおじいちゃん・・・そこには、さまざまな境遇のお別れが待っていた！


　ぐっと涙があふれていくというより
コミカルなできごとのなかに
　つい　ほろりとくる映画でした。

　重苦しくかまえるのではなく
　　　生も死も　同じスタンスとして
　　　　　　　　　　描いているなと思いました。


　私は　さそうあきら画のマンガ版を
先に読んでいたのですが

　もっくん演じる主人公の
　　　コミカルなキャラ造形にびっくりでした。

人なつっこさもにじみ
　たいていのことに器用な雰囲気がにじんでいて
他の職業を選んだとしても
　採用されたんじゃなかろうかと、、

それゆえか　エピソードが　ちょっと
唐突すぎるのか　納棺師の仕事に
　愛着、誇りを持って行く課程が
　弱かった気がします。

一方　本木さんの　指の動きの美しさが
　物語をきちんと紡いでいきました。


　うろおぼえですが　山崎努氏演じる　社長の言葉
「俺たちは死体を食って　生きているんだ」
　　いまさらながら　この方は
本当のことながら　そうそう気づけない
　　すごく深い意味のある台詞を
　実にさりげなく　さらりと
　　　でも観てる側にには”ずしん”と　
　　　　　　　響かせてくれます。


　総評としては　海外へのアピールも
しっかり含め　描きたいことを
上手に味付けして目の前にだされた映画でした。


さて
　すこし漫画版の　おくりびと　の話を

情感的にはこちらの作品の方が　ぐっときました。



　映画公開より　以前に雑誌に掲載されていた作品で
さそうあきら氏の　素朴というかシンプルな筆致で
描かれる主人公は

　映画のもっくんとは　違い
みるからに　不器用そうで　
　ひとづきあいも苦手

　面接にもびくびく状態であった主人公が
生活のために　妻にも仕事のことを
なにも言えないまま
　　しかたなく仕事を続ける日々の中

　死者とその遺族のさまざまな触れ合いを目撃し
そこに　かかわっていくなかで
仕事に対する矜持、熱意を培っていく
　　　エピソードがじっくり描かれています。

　彼の帰りをまつ妻も　映画版とは違い
みるからに　内にこもるタイプ
　夫の郷土に連れ立ってきたものの
なかなか近所にもなじめず
　始めたピアノ教室でも　
　　　来てくれたのはたった一人の少女

その教え子も　夫の仕事ゆえに失いかけ
そして　夫の秘密にも　気がついたとき
彼女は叫びます　「穢わらしい」と

　彼女自身が多分　これまでに大切な人を
亡くした経験がなく　また　やっと夫の故郷で
そだちつつあった共に生きていく足がかりを
失ってしまった絶望感がつたわってきます。

おおすじは映画と同じなのですが
　すこし　ちがうもうひとつの
　　　”おくりびと”

興味を観じたら手に取ってみてください。