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テーマ:気になるテレビ番組(2918)
カテゴリ:情報・教養番組感想
昨年が松本清張生誕100年ということで
wowow での 松本清張ドキュメンタリー 正月番組でHDの録画時間が減って行く一方なので 記録して 消化! 消化! タイトルにある10のエピソードとは 1. 傾斜角の極限 松本清張記念簡易残されている仕事場の 机の上に鎮座しているのは 傾斜のついた板 斜面台 多作即乱作と決めつける日本文壇の傾向に 挑戦し 月数十本の連載をかかえた清張の 執筆する右手の負担を軽減するための武器 2. 階段の音 聖域(仕事場)の二階から脱稿した原稿を片手に降りてくる 松本清張をひたすら待ち続ける編集者達の焦り、熱意、苦労 3. 十六講と少年 清長が生涯大切にしていた本 十六講→「小説研究十六講」 小説作法の入門書 家計を助けるために働き尽くめの少年の唯一の慰めは 読書 そんな日々の中で出会った一冊 これまで読んだ小説の読み方を深めた本 4. 家長への召集令状 28才の時の家計を支える清張への召集令状 家族を置いて戦火の中に向かわなければならない焦燥と 戦場において 思いがけず感じた家族からの開放感 5. 5.5gの愉悦 365日仕事に終われ、趣味のなかった清張の唯一の 楽しみ パチンコ その味わいを作品で描いた文が美しい 6. 5万分の一とダイヤ 貧しさ故にどこにも連れて行ってもらえなかった少年が 覚えた ”行けない旅”の楽しみ方 5万分の一の地図を広げ まだ見ぬ土地を夢想すること そして小説家となった清張は無類の旅好きであり 地図を小説の設計図として創作の幅を広げる 列車の時刻表とともに 7. 470分の3 映像化の申し出を拒まなかった清張 映像化された数470作あまり(多分今後も増える!) その中で 彼の眼鏡に適ったのは たったの三作 短編の映像化二作「張込み」「黒い画集」 そして最高だと語っていた 映画 砂の器(1974年製作) 興味深いのは 短編ニ作は制作スタッフが 想像力をふくらませ長編の作品とした点 砂の器は 原作の複雑なプロットを大胆に カットし作品を構成 「小説では絶対表現できない」と絶賛 8. 料亭福田家の変 1963年 料亭福田家においての 中央公論社が文学全集を刊行するための編集委員選考で、 三島由紀夫は松本清張の委員参加を強行に反対し 清張は選からもれる 清張は純文学「或る『小倉日記』伝」で 第28回芥川賞を受賞し、 良質な純文学作品を創作していたにも かかわらず 多作、推理小説家であると理由で 後に 三島由紀夫は自決、選考の場にいて 清張を選考委員に入れてもいいと考えていながら 三島の勢いに押されてしまった川腹康成も自殺 「創作する力がなくなったから死を選んだのだ」(清張談) 9. Englishの死角 清張を知る人が口にする言葉 「松本清張は英語に不自由しなかった」 流暢にあやつる英語力をどこで培ったのか 勤務していた朝日新聞社の同僚の中に 師をみつけ 朝夕、会社までのともに 歩くみちのりが 英会話の勉強時間 ひたむきに学び、交流をふかめた姿を その恩師の子達が語る 10. レンズのないメガネ 清張の眼鏡、左側にはただのガラス 左目がほとんどみえていなかった 残された右目もいつかみえなくなるかも しれない不安、恐怖がかりたてるような 執筆活動に 非凡な努力家 松本清張 享年82才 番組中で紹介される エピソードを創作に取り入れたと思われる 作品中の言葉の輝きにとても惹かれました。 古本屋でぽつりぽつりと仕入れている 清張作品をしっかり読まねば お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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