Lake Moraine ～Book Cafe~

CG全盛の現代、
監督こだわりのストップモーション・ピクチャー
すなわちコマ撮りアニメーション！

　予備知識は予告を見て
「あれっ、このキツネさんダンディ～！　
　　　　　　　　　　　それにCGじゃない？！」
　だけだったのですが、思いのほか楽しめました！

　コマ撮りアニメーションと言うと　
「ピンチクリフ・グランプリ」(1975年制作)　という
超超超　名作がうかぶ私です。

今作は構想10年、制作に2年かけたそうな！

　CGの映像というのは「お～すっご～い」と
　技術の進歩の凄まじさに目をみはりますが

　アナログ(コマ撮り)の　時にゆったりと
　時に　カクカクとスピーディーなコマの流れの
　ぬくもり感は心に直接響いてきます。
　遠景の町並み、近景の部屋の中の小物の数々、
　もちろん登場人物達の生き生きとした様子！！

　全部　ぜ～んぶ”手作り”感あふれる世界にはもう
　じわ～んと心に暖かい気持ちがあふれてきます。

キャラクター造詣としては
　主人公Mr. Fox や奥様のMrs. Fox、
　彼らの甥のクリストファ達の
　すらりとしたプロポーションの頭身には嫉妬すら(笑)

物語の原作はロアルド・ダール！
　さすがに　一筋縄ではいきません。

Mr. Foxはもとはニワトリ泥棒きつね
　クール＆スタイリッシュに盗みに励んでいましたが
　ガールフレンドのフェリシティーの妊娠をきっかけに
　足をあらい新聞記者という”カタギ”の生活へ！
でも「もっとよい生活がしたい」という欲がもたげ
立派な木の家にお引っ越し！　その新居の目の前には
強欲で有名な三人の人間の農場が～！
　獲物の山を目の前に
　昔の血がむくむくと騒ぎだして
妻には内緒で　日々盗みまくる毎日に！
　しかし世の中そんなに甘くない
大事な自分の所有物を盗まれた人間サイドは
近隣の動物たちもまきこむ報復手段に！

当然Mr. Foxの秘密のお仕事は
　Mrs. Foxの知る所となりますが
「やめると誓ったのになぜまた盗みを始めたの？」
との妻の糾弾に

　「だって俺の中の野生がそう叫ぶんだ！」と
申し訳なさそうに、でも
きっぱり、はっきり、誇らしく宣言！

　そうだよね～、だってキツネだもん

ということで、子ども向けのお話にはふさわしくないながら
物量作戦でMr. Foxを狩ろうとする
　人間達のやりすぎに対する反感びいきやら
自分が自分らしくあるために本来の自分＝野生の行動に
誇りを持って仲間とともに闘いにいどむMr. Fox達を
応援してしまうのも人間の性



声優陣はMr.Foxにジョージ・クルーニー、
Mrs. Foxにメリル・ストリープ　他
当たり前の話だけれど　み～んなうまい！
メリル・ストリープなんで昔ちょっとやんちゃしてたけど
今は若き良き妻、良き母というのがストレートに
伝わってきました。

ファンタスティックMr.FOX 【DVD】 価格：3,591円（税込、送料別）

内容詳細
Mr.FOXは、以前は盗みをして暮らしていたが、妻のMrs.FOXとちょっと変わり者の息子アッシュのために足を洗い、今は新聞記者として働く日々。穴暮らしをしているが、そんな惨めな生活に飽き始めていた。「もっといい暮らしがしたい!」そんな欲求にかられた彼は、丘の家を購入することに。しかし、弁護士のバジャーは大反対。丘の向こうにはボギス、バンス、ビーンズという、意地が悪い3人の農場主(人間)が住んでいるから。それでも忠告を無視して憧れの家へ引越し、人間に近づいたMr.FOXは、野性の本能が目覚めてしまう。人間たちの飼育場から昔のように獲物を盗むことに熱をアゲ、盗みの規模が大きくなるにつれて生活は楽になる。しかし、日々、獲物を盗まれる人間たちの怒りは絶頂に達し、結束した3人はトラクターを使って根こそぎ丘を堀かえし始めた!一家の主として、父親として、‘ファンタスティック’に生きたいMr.FOXと彼を支える妻、父親に認められたい息子、土の中で生活するすべての仲間たちは、野性の本能と誇りをかけ、人間たちと戦い始める!

●映像特典:合計約50分(予定)
(1)メイキング集
・Mr.FOXの見どころ
・小説の映像化
・パペット作り
・パペットアニメーションのできるまで
・キャストについて
・ビルマーレイとアナグマ
(2)初心者の為のバシット・バット
(3)ロアルド・ダールによる『ファンタスティックMR.FOX』の世界
(4)オリジナル予告
(5)日本版予告


監督:Wes Anderson
声優:ジョージ・クルーニー / メリル ストリープ / ジェイソン・シュワルツマン / ビル・マーレイ / Wallace Wolodarsky / Eric Chase Anderson / マイケル・ガンボン / ウィレム・デフォー / オーウェン・ウィルソン / Jarvis Cocker