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湖の彼岸 -向こう岸の街、水面に映った社会、二重写しの自分-

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2007年08月04日
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社会科学における再帰性とは、第一に、研究対象である「社会」に、分析者である「自分」が含まれていることです。自分が研究対象に含まれてしまっていることは、その対象を「再帰的に」とらえることと同義です。

この「再帰性」は、自然科学においては、起こり得ないこととされています。例えば、物体の等速直線運動を調べるために、真空空間を設定し、実験を行うとします。この時、その実験者は、真空空間の物体の運動に直接的には影響を及ぼさないし、また及ぼしてはならないとされます。このように、分析者と分析対象を峻別することで、科学における「客観性」が確保されるのです。

ところが社会科学においては、分析者が分析対象に含まれているため、次のようなことが起こり得ます。ある経済学者が、現在の経済を分析したところ、株価が漸次上昇していくことがわかった、といった発言をしたとすると、その発言は直接的に社会に影響を及ぼし、対象である経済や株価がそれによって変動する、ということが起こり得るのです(予言の自己成就)。

自分自身が対象である社会にreflect(反映)してしまっている二重性が「再帰性reflexivity」であるといっていい。

第二に、「再帰性」を後期近代社会の特徴として述べることができます。近代の初期においては、伝統や宗教が選択をする際の準拠になっていた。ところが後期近代においては、そのような宗教や伝統への信頼が低減し、自分自身が自分の選択を決定しなければならない。この自己言及性を「再帰性」と言います。






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最終更新日  2007年08月23日 23時13分58秒
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