日本人は未来人なのさ 連続小説〔38〕
今までのあらすじみどりちゃんは いなかから東京にひっこししたんだよ。ユニークなやりかたでね。くるみちゃんは逆に、東京からいなかにひっこしたんだよ。これまたおもしろい方法でさ。ふたりはネットで知りあって、高千穂に神話の時代をしのびに行ったんだ。そこでふたりは、不思議体験をしている ぶっち と出会ったんだよ。で、3人はネットのテレビ電話システムで、おしゃべりするようになったんだ。三人してディズニーランドに行ってから***くるみちゃんの姿がスーッと消えた。「くるみちゃん、目が醒めたようね」ってテラス。みどりちゃんの姿もポッと消えた。次いで ぶっちの姿もパッと消えた。「三人とも目が醒めたようだね」と先生。前回の夢*三人が集った夢*では 後の方はぼやけてしまっていて、だれかが先に消える ということは確認できなかったようだったんだ。「やっぱり 目がさめたら、霊界から消えるんだね。くるみが まっ先に消えちゃったよ」ってみどりちゃん。「その次ぎに みどりちゃんが消えたよ。その後 ぼくだったよ」とぶっち。「あはは。くるみが消えるのみられちゃったっちゃ。そいで 眠ってる間は 自分の霊魂は ずっと霊界にいるってことなんだっちゃ?」ってくるみちゃん。三人はネットのテレビ電話システムでおしゃべりを始めたところだよ。「それはまだ謎だね。そのうちわかるだろうよ」とぶっち。「それにしても、あのイメージのゴミ捨て場って とんでもなかったね。今思い返しても気分が悪くなっちゃう」ってみどりちゃん。「すごかったね。脳裏にこびり付いてはなれないよ」とぶっち。「恐ろしいっちゃ。精神的貯金をしない人は あれより ずっともっと恐ろしい地獄に行くって先生たちが言ってたっちゃ。恐いっちゃ」って言ってくるみちゃんは両腕を抱えたよ。「こっちの世界の人たちのほとんどは 精神的貯金を積むってことなんて考えないから、あっちの世界に行った時 地獄でたいへんかも。あたし精神的貯金を増やそうっと」ってみどりちゃん。「同感だよ。精神的貯金をするには 自分がちょっと損したって感じる程度にやっていくのがベストだって先生 言ってたよ。ほんとはすごく損したって感じるくらいがもっといいって」とぶっち。「そうかあ。それにしても、人間って 損したとか不平不満がでるような思い出をよく覚えてるっちゃ。なんでだっちゃ」ってくるみちゃん。「先生がこう言ってたよ。それは 人間はほっとくと楽しいこと 精神的借金を増やすようなことばかりしがちだからだって。それと、人間はギブアンドテイクが釣り合ってても、自分が損してるって感じるんだって。で、不平不満で苦しむんだ、って言ってたよ」とぶっち。「なるほどねえ。だから 自分がかなり損したって感じでやってけばいいんだ」ってみどりちゃん。「うん。そうなんだって。で あっちの世界で地獄で償ったあとは、また転生して、こっちの世界で体験元戻りさせられる、つまり償わされるんだって」とぶっち。「うわあ、恐いっちゃ」ってくるみちゃん。「うん、恐いね。それにしても、高千穂、アマテラス*オオミカミ、パルテノン宮殿、古代ギリシャ人のような顔の先生、いったいどんなつながりがあるんだろう」とぶっちは腕ぐみをする。「霊界でいろんなものが組合わさったのかもしれないっちゃ」ってくるみちゃん。「可能性としてはもうひとつあるよ。それが全部関係あるって可能性」ってみどりちゃん。「そうだね。どっちもありそうだね。そのうちわかるだろうよ」とぶっち。〔つづく〕〔文章の視点を統一してありません。転調効果とノリを狙ってます。日本語の文章では過去形と現在形を混ぜて使います。それと同じです〕〔リンク フリーです〕