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正直に告白して、私は外食って苦手なんです。苦手になった・・といいますか・・。10代や20代前半の頃って、全然平気だったのに・。10代の頃、貰ったばかりのバイト代持って、お寿司やさんのカウンターに、一人で座った・・なんてことも、平気でやったこともあるんですが・・・。
別にお店で嫌な経験をした・・なんてことも、そんなにはないんですけど・・・。 と言う訳で、今仕事の関係や、友達づきあいで、どうしても外食しなくてはいけない・・以外は、大抵家で自炊(後、たま~にコンビにやデリカテッセン、ファーストフードのテイクアウトを利用することも・・・)。 仕事を始めて、しかもラッキーなことに自分の本当にやりたかった仕事が出来て、職場での人間関係も、まずまず恵まれていて・・。 でもやっぱり、どこか疲れている。そうなると、私は仕事が終われば直に家に帰って、自炊して、自分の食べたいものを、誰に気兼ねすることなく、リラックスした状態で、食べたい、寛ぎたい・・・。こんな事が、私が外食を利用しなくなった理由かも・・・。 とはいえ、こんなお店だったら、私でも入って見たい・・そんなお店があります。 それは、小津安二郎監督の名作「お茶漬けの味」に出てくる「カロリー軒」です。 カロリーは敵だ!って風潮の現在では、敬遠されるような名前なんですが(笑)。しかも豚さんのマークだし・・・。 でももし、実在するのなら行ってみたい・・・。別に映画の中で、綺麗な感じで出てくる訳じゃないし、特別愛想の良い雰囲気がある訳でもなく、美味しそうな料理が出てくる訳でもない・・。(美味しそうにラーメンを啜るシーンがありますが、ラーメンのびた感じがしたなぁ~) でも行ってみたいのです、カロリー軒。何ででしょうね~。 もしかしたら、私は「カロリー軒」に固執してるんじゃなくて、小津監督の生み出した、「古き良き時代の日本」の中に存在するカロリー軒に行ってみたいのかな。 うん、多分そうだ・・。小津監督が名作の数々を撮っていたその時代にさえ、既に存在などしていなかったと言う「古き良き時代の日本」・・・。 そもそも「古き良き時代の日本」など、かつて存在したことなどあったのかな?もしかしたら、それは日本人が勝手に生み出した、「桃源郷」なのかも・・・。 小津監督の作品を見る度、私の中の「ノスタルジー」を刺激されるのは何故なんでしょう?こんな時代に、生きたことなどないのにね・・。 小津監督の作品を見る楽しみの一つに、その「食事風景」があります。監督は「食べる」と言う事を、大切にされた方なんでしょうね・・。只、料理を綺麗に明確に撮る・・・なんてシーンはないんじゃないかな?それは小津監督のスタイルではなくて、「カレー」「ラーメン」「とんかつ」「お寿司」「コーヒー」等々、名前はぽんぽん出てくるけど、それらその物を、じっくり撮影・・なんて事はしないで、後は見る方の「イマジネーション」におまかせ・・・って感じですよね。私は好きです、こんなスタイル。(食い意地のはった私は「戸田家の兄妹」で、名前だけ出てくる「懐中汁粉」が食べたくなり、実際購入したことも・・(笑)) こんな「小津世界」を生み出した小津安二郎は、私の憧れる男性像No.1かもしれない・・・。 追記・・・「お茶漬けの味」の中のカロリー軒は、「中華料理屋」でしたが、「東京の合唱」に出てくるカロリー軒は「カレー屋」でしたね・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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