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｢テロリストが天然痘ウイルスの遺伝子を手に入れるのは難しい｣　というのはもはや“ガセビアの泉”に沈められなければならない情報。実はニセのEmalアドレスで“武装”すれば、バイオテロリスト志願者は生物兵器の遺伝子をオンラインで注文し、数週間以内に郵便で生物兵器の部品を入手しうるということがわかっている。

現在、多くのバイオテック企業が完全長の遺伝子合成受託サービスを提供しています。利用者がどのような目的で遺伝子を使うのか？または誰が使うのか？を聞かずに遺伝子を提供してしまう会社もある。

通常、顧客はE-mailまたはウェブサイト経由で遺伝子配列を申請し、バイオテック会社は依頼された遺伝子配列を合成し、数週間以内に合成DNAを顧客に郵送しているという。

New Scientistは、Google検索で見つけた16社に、注文を受けたDNA配列がバイオテロに使用される可能性をスクリーニングしているかどうかを尋ねました。16社のうち12社がこの質問に回答。

この12社のうち、全てのDNA配列をチェックしていると回答したのは僅かに5社のみでした。4社は部分的にチェックしていると回答し、3社は遺伝子配列のスクリーニングは全くしていないと回答。

DNA合成の危険は、ニューヨーク州立大学の研究者等が2002年6月11日のScience誌に発表した研究成果によって初めて明るみになりました。この研究では、インターネット経由で入手したポリオウイルスのDNA配列とネットショップから手に入れたDNA合成のための試薬を用いて感染能力があるポリオウイルスを作成できることが証明されています。

また、ニューヨーク州立大学の研究者等と同方法で1918年のスペイン風邪を引き起こしたウイルスが合成できることが先月US Centers for Disease Control and Preventionの研究者等によって示されました。

理屈ではウイルスの遺伝子配列全部を受託合成することは可能ですが、例えば、天然痘（Smallpox）を引き起こす病原体で致命率が高いVariola majorのゲノムは19万塩基配列もあり、これを全部受託合成することは考えにくくなっています。

したがって、ウイルスに毒性を付与している遺伝子配列だけを受託合成依頼し、その遺伝子を他のウイルス遺伝子に組み込むという手順がバイオテロリストの生物兵器作成のもっとも現実的な方法ではないかと考えられている。

もしくは、バイオテロリストはエボラウイルス(Ebola virus)などのバクテリア毒素の遺伝子だけをオーダーするかもしれません。もっとも合成受託せずとも自然環境から微生物を採取することでバクテリアの毒素を集めることは可能です。

“A dollar a base pair”によれば、DNA受託合成の値段はここ5年ほどで暴落しており、1塩基あたり1.5ドル以下でDNA合成を受託している会社もあるという。
しかも、このような世界的リスクのある危険なDNA受託合成が楽天ショッピング同様簡単にオーダーできるのだから恐ろしい。GovernmentLevelでしっかり管理すべきでしょう！

NewScientist
BioTodayより