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カテゴリ:【小説】加藤英雄無頼控え
「よお」
川中は身長が185cmある大男だ。痩せているが異様に腕力がある。 その川中がうつむいて英雄に近寄ってきた。 「どうした、カワ」 英雄席で英雄の前に座ると川中が口を開いた。 「英雄、お前最近変わったことなかったか」 「変わった事と云えば、何も無い事が変わった事だが。お前、どうしたんだ」 「お前を探している男が居る」 「珍しくないだろう」 「いや、珍しいんだ」 「勿体つけるなよ。誰だ、どっかのヒットマンか」 川中は英雄から目をそらして・・・また目を見て言った。 「あのな。そいつなんだが、お前が揉めた奴らを倒し歩いているんだ」 「あ?」 英雄はポットごと貰ったコーヒーを川中に注いでやった。 「これまでお前が倒した奴らを倒しまくっているんだよ」 川中はそれを一気に飲み干して呟いた。熱くないんだなあ、こいつ、と英雄はとんちんかんなことを考えていたが、すぐ話に戻った。 「何でまたそんな遠回りを」 「下北の野郎もやられたらしい」 「あいつもか」 下北とは暴走族鬼虎のヘッドだ。地元のヤクザも一目置き、県の空手チャンピオンである。これは英雄と揉めたというよりも、英雄に一方的に近寄ってきて押しかけ友人になった。 「おい、菅原もやられているんじゃないだろうな」 英雄は慌てた。ヒットマンが狙うとすれば自分もそうだが、相棒の菅原も危険だ。 「あいつは実家だろう」 川中は冷静に言った。 「敵は一人なのか」 「一人だ」 「きついな」 「きついだろう」 二人とも知っているのだ。多勢で向かってくる者に対しては、全力をだせる。警察に捕まっても正当防衛が主張できるという計算もあるが、一対一では英雄はさっぱり力がだせなかったのだ。それに一人で英雄を狙うと言うのは、余程自信があるのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/06/01 07:33:42 PM
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