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カテゴリ:徒然奇2
久しぶり、そう15年ぶりに聞いた彼女の声は、俺の記憶よりも少し低かった。
しかしながら、ずけずけ言いながらも少し甘い感じで心地よく響くあいつの声に間違いはなかった。 笑顔と八重歯を思い出す 「あんたまだ喧嘩なんかしてるの」 別れてから俺が出世の一つもしていないこと、彼女が離婚したこと、彼女の稼ぎが俺より多いこと云々、ひとしきり話をした後彼女がふいに言った。そう、一つも出世していないことにあいつはピンときたのだ。 「するわけないだろう。俺は元々喧嘩はしないの。どうしてもどうしても避けられない時だけするし。 ああ、思い返せばあの頃が一番ひどかった」 「なんで」 「お前がらみに決まっているだろう」 「なんでよ」 「本当に気付いてなかったのか」 大変だったんだぞ、おい。一番大変で怖かったのはお前だったけど 「○○さんとか××さんとか、△△さんとか」 「あんたもあんただったしね」 俺はただの貧乏サラリーマンだろう 「大変だったんだよ。エレベータで襲われたり」 その時、きゃはははは、と本当に楽しそうな声。 俺もつられて笑った。 「その位なければ、恋をしたっていわないでしょう」 参った。 「特にあんたの場合!」 実際、凄い女だったよ、お前は お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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