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カテゴリ:徒然奇2
「酔いすぎだぜ」
薄暗いバー 閉店後のようだ 「良いのよ。久しぶりじゃない。あんたは弱くなったの」 ママ、本多由美は半分テーブルに突っ伏して、男、多岐峻兵に言った 「弱くなったな。10年経っている」 そう言いながら峻兵はもうバーボンを10杯飲んでいる 「私も歳を取ったわ」 「まだ店をやっていたんだな」 峻兵の手が由美の頭を撫でた 「あんたらが帰ってくるって言ってたから」 「小皺だらけのお前の顔を見たらあいつらなんて言うかな」 「う・る・さ・い・わ・ね」 「飯を喰えよ」 峻兵は由美を見ないで言った 「食べに連れて行って。一人では嫌なの」 「大塚に言ってやれ。喜ぶよ」 「来るの、皆」 「来るさ。ただ問題なのは」 峻兵はにやりとした 「問題なのは?」 「あいつらがいつも集合時間に出鱈目だということだ」 「そうね」 二人でくくくと笑った 「今日はもう無理だな。俺は一旦帰る。明日も明後日も店を開けておけよ」 「抱いてくれないの」 「酔いすぎだ。抱かない」 「私、魅力ない。まだいけていると思うんだけどな」 「いけているんじゃないか」 「忘れられないの」 「誰を」 「晴美を」 「馬鹿を言うな」 峻兵は出て行った 送ってくれもしない。昔から冷たい男だったな、私には お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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