soul-eye

サイッテーなジャズだった

名前は明かさないし、どこで聴いたかも言わないけど

サイッテーだったね

だけど俺も堪えたよ

「今まではジャズバーでだけ聴いていたから普通に座って聴くのに慣れていなかった」

「あんまり暑いので俺の神経が麻痺していた」

「俺は太っているので座席が狭いからストレスが溜まった」

うーーーうーーーー

違う

4曲目で気付いた。スイングしていないのだ

ジャズはスイングだ

ツータッタツータッタツータッタなのだ

何だありゃ。どっかの中学生でうまい奴３人集めて聴かせろ

これで４０００円なら１００００円払って飯喰わしてやるよ、中学生なら

サウナでジャズ聴いたらどうなるんだ

第一ステージの途中、ベースが裏に引っ込んだ

「二日酔いだな」

俺は呟いた

ギターは手が滑っている。ベースは二日酔い、サックスは酸欠

聴いている俺は熱中症

周りはちゃんと正座して（？）聴いている

馬鹿か。というか、馬鹿にされるぞ、こんなのに感動していたら

俺は芸術には妥協できん

「全然ジャズじゃないだろう。ふざけるな」

俺の呟き声がでかくなる

その時

「次はピッチの速いのを２曲やって休憩に・・・」

とサックスが言った

俺は気付いた

「あいつらもっと暑いんだ。そうだよな、照明当たっているんだもの」

暑いのだ。馬鹿暑いのだ。年寄りしか居ないから、枯れているから平気なのだ、客は

休憩に入る時

「今日は暑いですね」

サックスが言った。これは皮肉だ。ステージが暑すぎるのだ

誰だ、主催は？誰がプロデュースしている？岩手の恥だ。二度とここではやらないだろう、彼らは

ビックネーム３人が揃って、ジャズを良く知らない俺が頭に来るんだから本当の具合悪さだ

二日酔いではなかった。駄目だ

俺が聴いていたジャズ

酒と、タバコと、お喋りと

開けたばかりのバーのような涼やかさを保ち流れる音楽

涼やかさはジャズメンの音楽に向かう緊張感か・・・

抜いた演奏では、客の喋りが罵声の代わりに大きくなる

本物の演奏には、音楽とウイスキーの氷の音と・・・そして、何かを思い出したかのような溜息

ジャズだ。スイングだ。あーーーー、あいつ突き抜けたな、今日だけの音だ

昨日でも明日でも、１０年前でも１０年後でもない、今日だけ・・・

それがジャズだーーーーー、と思う（よく分からないんだよ）



だけど今、これを書いているうちに怒りは収まり、代わりに

ああ、１０年前でも１０年後でもない、今日だけと書いたのに

何なんだ、俺は


As Time Goes By

You must remember this
A kiss is still a kiss
A sigh is just a sigh
The fundamental things apply as time goes by

忘れないであの日のこと
キスはキス、ため息はため息
だけど心は変わらない　
時が流れても

And when two lovers woo
They still say "I love you"
On that you can rely
No matter what the future brings, as time goes by

私たちは寄り添い
「愛している」と言っていたわ
確信していた
時が過ぎたって私たちの愛は変わらないと

Moonlight and love songs never out of date
Hearts full of passion, jealousy, and hate
Woman needs man, and man must have his mate
That no one can deny

月明かりとラブソングは色あせない
情熱、嫉妬、そして憎しみでたくさんの心
女は男を愛し、男は全てを許してくれる女を求める

It's still the same old story
A fight for love and glory
A case of do or die
The world will always welcome lovers as time goes by

愛と栄光のために戦う
それは古くからある物語だけど
恋人たちがいつも求めてる世界だから



June Christy "It's been a long long time"

Kiss me once, then kiss me twice
Then kiss me once again
It's been a long, long time
Haven't felt like this, my dear
Since I can't remember when
It's been a long, long time

ねえキスして。もう一回。もう一回
久しぶり、本当に久しぶりね
ずっと感じていなかった思いがまた・・・


You'll never know how many dreams
I've dreamed about you
Or just how empty they all seemed without you
So kiss me once, then kiss me twice
Then kiss me once again
It's been a long, long time

知ってる？あなたを思って何度あなたの夢を私が見たのか
私はあなたなしでは何も満たされなかったのが
ねえキスして。もう一回。もう一回
ずっと待っていたわ。本当にずっと