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カテゴリ:【小説】鴉組
「ヒデさんの話はいつかゆっくりしてやるよ」
「うん」 熊吉は体に似合わず子供のように頷いた。 十太夫はゆっくり目をつぶった。 皆の掛け声が遠くなっていく・・・ 江戸に居た頃、岩瀬先輩の隣にはヒデ公が必ず居た。 うん、俺が岩瀬先輩なら、このカースケはヒデさんじゃないかな。 十太夫は目を開けた。 熊吉がそこいらの葉っぱをむしって食べている。 「今日からお前はヒデ公だ」 十太夫胸の上にいるカースケに言った。 カーッ。 ヒデ公となったカースケは一声啼いた。 「十太夫とヒデ公はいつも一緒なんだよ、なっ、ヒデ公」 「何ですかね、そのヒデ公ってのは」 善兵衛が草むらに寝転んでいる十太夫と熊吉の側によってそう尋ねると、 カーッ 鴉が自分の名前など認識しているのだろうか、ヒデ公は一声鳴いた。 そしてヒデ公は体を上げた十太夫の肩にちょこんと乗ったかと思うと、十太夫が肩を揺すった弾みを利用して飛び上がった。 十太夫、この時もあの事件の事を思い出していた。 岩瀬先輩、ヒデさんにステさん、ヒロイさん、里見の間九朗に弾左衛門の宿の面々・・・虎松殿には色々教わったものだった。闇夜の異形の者ども・・・ 「俺たちもヒデ公カラスにあやかって黒装束にしよう。何、まともな部隊ではないのだ。なあ、闇夜の鴉はおっかねえぜえ」 そう言って、 「勝てるじゃねえかよ」 十太夫、ニヤリとして呟いた。 掛田の善兵衛、桑折の和三郎、桜井千吉、佐藤喜平を始め 軍 監 安藤忠吉 第一番小隊長 武藤鬼一 第二番小隊長 渡辺武兵衛 第三番小隊長 新妻新兵衛 第四番小隊長 蓬田仁蔵 第五番小隊長 笠原安治 副 隊 長 矢野長之進 これに加わる熊に梟にフカに鼠に猪・・・ こうして名前からして危険な匂いのする闇夜の鴉集団ができあがった。 ちなみに武藤鬼一は明治時代に宮城初の弁護士になり、鴉組魂そのままの弱者の味方として活躍した。 人気ブログランキングへ くる天 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/11/07 08:36:45 PM
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