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カテゴリ:【小説】鴉組
「な、何てことしてくれたんだ」
お絹と呼ばれた娘の家からおやじが出てきた。 「何てこともかんてこともあるめえ。娘を助けたんじゃねえか」 ヒデ公が残った一人を含めおばばが攻撃していた男をふんじばりながら言った。 「そんなことしたら官軍が来る」 「な・に・が・・」 「おっと」 そう言ってヒデ公の拳が引かれるところを、十太夫先生抑えた。 「あんたなんだい。助けてもらってその言い草は」 おばばがヒデ公に続けるように言った。 お絹は一瞬おやじの方に駆け寄ったが、反転しておばばの腰にすがった。 「でも、官軍が」 「官軍よりも娘だろうがよ」 ヒデ公、十太夫先生ごと拳を振り回す勢いだった。が、足が出た。 ヒデ公の前蹴りにより、おやじは吹っ飛んだ。 「へっ。ここいらの奴はこんなもんでえ。忠孝なんていってやがるがね。子供なんてえのはやりゃあ何人でもできるから、自分の盾になって死ねってなもんですよ。これが忠孝だってね」 出た!ヒデ公の説教。 「まあ、まあ、ヒデさん」 「孔子だろうがなんだろうが好い加減なもんでえ。惻隠の情だけがまともなことでえ」 十太夫先生、苦笑いした。ヒデ公にかかっては武士道だろうが孔子だろうがお構いなしだ。 「ヒデさん、まずがこの場だ」 「そうですね。おい、おやじ」 「へ、へえ」 おやじのダメージはそれほどでもなかったようだ。 「こいつらどっかに埋めちまえ。それで芋狐が来たら知らぬ存ぜぬで通すんだぜえ。おめえらもだ」 ヒデ公、集まってきた連中に大声で言った。 「で、おめえらだ」 縛られている西軍の連中を蹴りながらヒデ公、すっごい笑顔になった。 「言うとおりにするんだよ。このお侍様は十太夫さんのご親戚で、この鬼男はその家来だよ」 おばばが町の衆に喝を入れた。 人気ブログランキングへ くる天 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/11/20 11:35:24 PM
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