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カテゴリ:【小説】鴉組
十太夫の親戚だということで、町の衆から何人かがおばばの家にやってきた。
苗字ではなく名前が一緒の親戚というのもあったものではないが、侍姿の十太夫先生と遊び人姿のヒデ公では、そこはかとなく鴉組を思わせた。 「やるしかないな、ヒデさん」 十太夫先生が言った。 「へい、腹が減りやした」 「そうだな。それは由々しき事態だ」 「へい、もう腹が減って」 「本当にそうだな」 と、軽口を叩きながら、二人は西軍の捕虜を殴ったり蹴ったりして事情を聞いた。 30人程が駐留しているだけだと。駐留といっても斥候のようで、それほどの装備はないらしく、本体が目と鼻の先まで来ているので今のうちに羽を伸ばしているとの事だった。 「羽伸ばしに人殺しかね。惨いな」 あっという間に3人を殺した十太夫先生だが、先生は先生で武士が斬ることと人殺しが切ることに関しては明確な違いがあった。 武士は意地の相手を斬るが、人殺しは人を切る。意地の相手を斬ることが不可能な相手であれば自分の腹を切って意地をみせるのが武士なのだ。 「十太夫様、私らにもやらせて下さい。私は女房を盗られました」 町の男たちが言った。 「私は娘です。やりますよ」 年寄りも言った。 「とっつぁんは無理だろう」 ヒデ公がへへへと笑った。 「策を立てよう」 十太夫先生、ことさら似合わない武士らしい物言いをした。 「その前にで、先生」 「なんだい」 「こいつらも埋めないと」 「あっ、そうか」 一旦火がついたこの二人、容赦は無かった。捕虜は虐殺され埋められた。 人気ブログランキングへ くる天 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/11/22 11:31:30 PM
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