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カテゴリ:【小説】鴉組
数度、熊吉たちの銃が火を噴いたが、
しゃがんでいて狙いづらかった熊吉たちをようやく狙えるように陣形をとった西軍の銃口が熊吉たちに向けられた。 「うでーーー」 バン、バババン。 パパパパパ。反撃が始まった。 「うでーーー」 バン、ババン。 パパパパパ。 熊吉たちは鉄砲組対鉄砲組ではなく、十太夫たちを援護している・・・ 「うでーーー」 バン、バン。 パパパパパ。 「うでーーー」 バン。 パパパパパ。 ・・・だから西軍の反撃は衰えなかった。 一番丈夫だった熊吉が最後まで残った。 鴉組の連中が熊吉に向かって走った。混戦になれば相手の銃も吹かなくなる。その間を縫って鴉組は熊吉に走った。 「熊。死ぬな」 熊吉たちの援護で敵の前線から逃れた十太夫が熊吉に駆け寄ると 「隊長。おら、ま、まだ撃でる」 バン。 「あ、あいづら下手くそよ。お、俺、いづも一発で熊倒した。あ、あいづらまだ俺を倒せね」 熊吉の手はがくがくと震えながらもまた弾を込めた。 バン。 敵の大将に当たるなんてドラマはない。 「隊長。俺、熊より強いがもしんねな。えへへ。隊長だぢどいでおもしがったべ」 ドラマはないが、奥州の熊の意地を通した最期だった。 人気ブログランキングへ くる天 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/11/30 11:56:43 PM
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