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カテゴリ:【小説】鴉組
鴉組にとってはつまらない白旗が揚がった。
鴉組にとってはつまらない退却だった。 敗戦を告げに青葉城から来た侍の顔は卑しかった。非戦派(恭順派)の者だった。 特に十太夫率いる鴉組のお陰で戦意が上がり戦争が伸びたと思っている奴だった。 戦争が終わったと知った仙台兵たちの中には、嫌々戦っていたのも居た。 そうした兵士は、これから農民達への虐殺や略奪が始まるのを知らない。 知っているのは市井で暮らしていた鴉組の連中だけだ。 十六ささげも棚倉藩に死にに帰った。 安心したせいか武士の顔に戻っている者も居る。 「その顔をいくさでしやがれ」 和三郎は露骨に呟いた。 なぜか十太夫先生とヒデ公も一緒に退却していた。 「先生、あっしらは別に普通に街道を行っても良いんじゃないですかね」 ヒデ公、やはり突っ込んだ。 「うん。でもほら、ヒデさん腹が減るだろう。皆と居れば飯だけは食える」 「そういう事ですか」 ヒデ公、合点をした。この二人だけ暢気であった。 細谷の十太夫はそのやり取りを可笑しく思うとともに、恐らく江戸で最強に称えられる(色々な意味で)この二人が側に居てくれるだけで嬉しかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/28 09:59:26 AM
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