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カテゴリ:【小説】鴉組
「お姉さん。その方は先生じゃありやせんぜ」
ヒロイがそう声をかけている間に、ステは死体を木陰に隠していた。 「う、そうじゃの。違うの」 美和姉さん、人違いで助けたが、この男が善人か悪人か計りかねて困っていた。 いきなり4人を切り殺してしまったのだから・・・ 「女房殿。助かりました。私は土方歳三と申します」 その男はそう名乗った。 「む。新撰組の鬼の副長か」 美和姉さん、ちょっとほっとした。美和姉さんも新撰組は知っていた。 最後まで士道を貫いて戦っている硬骨を通り越した武骨の集団であった。 「私は岩瀬美和と申します。もしや、余計な事をしてしまったのかの」 十太夫先生よりも美和姉さんよりもずっと若く、ただ美和姉さんは弟十太夫の面影をかなりこの男に感じ、気安い雰囲気で声をかけた。 「いえね。伊達の野郎ども、最後の一戦をと話しに来たんですが、腰が引けていて話にならねえ。 で、むしゃくしゃしていたところに刺客がきやがって、遊んでやろうとしていたんでさ」 この伝法調も弟十太夫を思い出させていた。怒った時の弟は本当にこうなる。 さっきのブ~リブりブリはこの男の気迫だったのだ。 「お姉さん。さ、この場を離れやしょう。面倒になるめえに」 ステがヒロイが死体を片付けて二人に近寄ってきた。 この異形の二人は、すでに土方を敵としておらず、安心して美和姉さんと二人にしていた。 「しかし、こう、似てないご兄弟ですな」 身分身なりも話し方も顔も形も似ていないが、お姉さんお姉さんと女房を呼ぶ二人組と女房に向かって土方は言った。興味が湧いたのだった。 「似ていないが兄弟じゃ」 美和姉さん、笑って言った。 ステとヒロイは照れくさそうにへへへと笑った。 人気ブログランキングへ くる天 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/27 11:11:36 PM
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