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カテゴリ:【小説】鴉組
旗巻から引き上げ竜宝寺に宿陣していた鴉組陣営。
「隊長。俺たちこれからどうなるんですかね」 善兵衛が細谷十太夫に訊いた。 「今城じゃあっち派だのこっち派だのって皆保身に走っていますが、俺たちはどちらからも疎まれていますからねえ」 「全くでい。ふざけているな」 細谷の十太夫もブリブリしていた。なぜ鴉組の営所は寺なのだ。 「細谷殿。殿がお呼びなのですが」 突然、城から迎えの者がきた。 今仙台では粛清の雨嵐が吹き荒れていた。恭順派が巻き返し抗戦派を圧していた。そんな中、城へ十太夫が行くなどとは・・・。 「隊長。もう逃げましょうよ。でなけりゃ戦って死にましょう。面倒くせえよ、本当に」 和三郎が泣き怒りで言った。 「細谷様。おいらを連れてってくだせえ。仙台に来てからこっち、この寺で博打ばっかやってもしゃあねえんで。大体元手もねえのに博打やったところで何も面白くねえやな」 ヒデ公だった。 十太夫先生は寡黙に、ただ頬に笑いを浮かべていた。 「あっははは。大丈夫。まあ、見ていてくれ」 そう言って、使者にちょっと待っておれと声をかけて暫く姿を消した細谷十太夫、戻ってきたときは墨染めの法衣を軍服の上から纏い、両刀を差すという出で立ちで戻ってきた。 「ほ、細谷殿、それは」 使者は驚いた。 「手前、本日より僧籍となりました。行きましょう」 「あっはははは」 十太夫先生だった。 「これじゃ、鴉の親分だかなんだか相手も分かるめえ。良い気の逸らし方だ、細谷さん」 「はい、では行ってきます、先輩。じゃな、皆」 細谷十太夫は使者を連れる形で出て行った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/28 10:05:58 AM
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