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カテゴリ:【小説】鴉組
重臣たちは平伏した、が、十太夫は、
「これ、細谷」 と、まわりに言われても 「手前は僧籍の鴉仙と申します。お見知りおきを」 と平気の平左な顔をして突っ立っている。 「あい分かった。鴉仙様、こちらで話しをしてくれぬかね」 ぷくりとした、しかしやはり藩主としての貫禄はある慶邦がニコニコして手招いた。 「それでは失礼して」 鴉仙こと細谷十太夫は、正座をしている重臣たちを縫って済ました顔をして慶邦の後についていった。 「細谷、平伏せぬか」 謁見の間においても、十太夫は平然と座っていた。 最初は悪戯のつもりだったのだ。だが城に入ってからこっち、段々と馬鹿にすんなよこの野郎という気分になっていた。 こうなると止まらないのが細谷の十太夫だった。 慶邦は直接話したこともなかったが、十太夫一番機嫌が悪くなったときに出会ったのだから、八つ当たりみたいなものである。 「細谷。お主の活躍は聞いていた。伊達侍の意地を見せてくれたな。慶邦、礼を言うぞ」 穏やかに慶邦は話した。 「さて、衝撃隊の事ですか。彼らは今竜宝寺に閉じ込められておりますが、彼らが伊達の意地なのですかね」 「何?それがお主の不機嫌のワケなのか」 謁見の間にともに居た重臣が口を挟んだ。 「不機嫌も何もあったものではありません。竜宝寺では皆で戦死者の弔いをしております(本当は博打)。この上はと思い、隊長である私は僧籍に身を置いたのです。 ということでそれではこの辺で」 立ち上がりかけた十太夫に、 「すまん」 と声をかけたのは慶邦であった。 「細谷、本当にすまぬことをした。我らは、そう、自らの格式に負けたのかもしれんな」 慶邦の反省とも取れる言に、十太夫、ビックリして座り直した。 人気ブログランキングへ くる天 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/28 06:20:46 PM
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