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カテゴリ:【小説】鴉組
「泣くな。お主らが生きているではないか」
十太夫は集まってきた者どもに、できるだけ肩を叩くように、腕を掴むように、手を握るようにして言った。 「だからって米も船も若い衆も。何だってんですかい」 「そうですよ。徳川様も伊達様も芋狐も好き勝手じゃないですか」 泣くのはこうした市井の者なのだ。 「ここが戦場にならなくて良かったのだ」 細谷十太夫の中では奥州戦争は終わっていたのだ。 あとはどれだけ戦火を拡大させないようにするのか、それだけだった。 榎本武揚との会見で、どうしても石巻で最後の一戦をという榎本に、 「おめえらの意地ではどうにもなるめえ。榎本さんよ、あんた、真面目にやろうって雰囲気がねえやな。どうも戦う男って気がしねえ」 と挑発し、 「星と額兵隊を呉れてやるからとっとと出ていきな」 と、もし土方が居たら斬り合いになりそうな事を言った。 もちろん交渉相手が土方だったらもっと簡潔に話しただろう。 「この綺麗な港町を血で汚して欲しくねえんだよ」 「そうだよな。おいら達は戦場でしかいくさはしねえよ」 位で終わったはずだ。 人気ブログランキングへ くる天 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/29 11:13:48 AM
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