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カテゴリ:【小説】鴉組
切っ先が喉に食い込む鶏冠頭、
「いやいやいや。伊達殿は恭順なされた。衝撃隊隊長である細谷殿にも至急に叛意なしとの態をとられ、我らとともに仙台城へご同道いただきたくお迎えに参った」 急に物言いが良くなる。 「そういうことかい」 細谷十太夫、刀を納めた。 「この方々にはお咎めはねえんだろうな」 細谷十太夫が伝法調になるということは興奮している証拠だ。 「は?」 お咎めも何も鴉組の残党ではないのか?この二人は、と鶏冠頭は思った。 「このお二人は江戸での友人でな。奥州戦争とは関係ないのだ。たまたま石巻にいらっしゃり、俺が星を送るのに付き合ってくれたんだよ。鴉に名前はねえべ」 切っ先が冷たく感じる鶏冠頭は 「もちろん・・・存じております。衝撃隊はすでに武装解除されて、この方々は関係ないのですよね」 としか答えられなかった。 「ということで先輩、行ってきます。どうぞ刀をお納め下さい。ヒデさんもありがとな。十太夫、本友諠生涯忘れません」 「お、おめえ、これじゃ田村三代記だぜ」 ヒデ公が呆然として言った。 「ヒデさん、洒落てるねえ。分かってくんねえ。十太夫は十太夫の意地があるんでえ、なっ」 細谷十太夫は懐かしい江戸の伝法調になった。 彼の意気は一つ、これ以上奥州で血を流すことなかれ。 「引こう、ヒデさん」 十太夫先生は抜くときと同じ速さで納刀した。 細谷十太夫が引き連れているような錯覚を起こさせる隊列で、西軍は去っていった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/29 11:23:28 AM
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