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カテゴリ:【小説】鴉組
「柔けえ。ガキが」
猪之助は会心の投げが決まったのにも関わらず平気で立ち上がってきた巨漢に驚いた。 ヒデ公は自分が投げられたのにもビックリしたが、すぐに相手の技を見抜いた。柔道の前身の柔術だった。 国許では猪之助の投げに起き上がってきたものはいなかった。 「だから江戸は良い」 彼は少年らしい野心に燃えた目で目の前の男を見て呟いた。 「よし行くぞ」 猪之助はまた体を丸めるようにヒデ公に突っ込んだ。 その時、 ゴイン ・・・その体の中に重い音を聞いたかと思うと 「あれ?あれれ」 目の前の景色がくるくる回っていた。 あっ、投げられた、と猪之助は思った。 ドッシャン これも猪之助の体の中の音だ。 「くう。投げか」 しかしどこをどう掴まれたか分からない。 「おおっ、立ち上がりやがったぜえ」 ヒデ公の驚嘆の声だ。 「鍛えてやすね」 ヒロイが言った。ヒデ公の蹴りが猪之助の体の真ん中に入って、猪之助は飛んでいったのだ。 ヒデ公も相手が柔を使える侍だということで安心して蹴ったのだった。 「どれ、もう一発入れてやるかね」 ヒデ公がそう言った瞬間、人ごみから 「ヒデ殿!」 と美和姉さんの声が響いた。 「どうしてお姉さんはこう都合よく登場するんでえ」 ヒデ公、逃げることもならず頭をかいて「へい」と振り向いた。 猪之助はそのとたん運動神経が切れたのか、どさりと倒れた。 人気ブログランキングへ くる天 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/30 09:18:01 AM
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