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カテゴリ:【小説】鴉組
乾猪之助は目が覚めたのは、美和姉さんがお忍びでよく来ている川沿いの小料理屋の二階であった。
「すまなかったの、猪之助どの。このデカトンチキは加減を知らなくての」 武家の女房がはじめに声をかかえてきた。 「さ、最初に投げられたのはあっしですよ」 先ほどの大男が体を小さくして弁解をしていた。 だが、 「こ・れ」 と怒られた。 「だってお姉さん、運んできたのもあっしじゃないですか」 食い下がるヒデ公。 「こ・・・れ」 「すいやせん」 またまた怒られていた。 その頃やっと猪之助は事情を知った。自分はこの巨漢に何らかの技をかけられ、そして飛んで、失神してしまったのだ。どうやらそれを助けてくれたのがこの女房殿で、ここまで運んでくれたのがこの巨漢のようだった。 彼は座りなおすと、 「申し訳ござらん。改めまして、手前土佐藩士乾猪之助と申します。お助けいただいたようでかたじけない」 と頭を下げた。 「素直な野郎じゃねえか」 ヒデ公、ちょっとにんまりした。何となく清々しい少年だと思った。ヒロイもニコニコしていた。今日はステは居なかった。 「うむ。こちらのヒデ殿が申し訳ないことをした。この男は江戸の名物みたいなものでの。初めて見る方には驚きかもしれないが、あれはあれで良いのじゃ。わらわは岩瀬美和。こちらが遊び人のヒデ殿で、そちらが飛び加藤の子孫のヒロイ殿じゃ」 「は、はあ」 飛び加藤って誰だったか?? 「仲直りにはお酒が一番じゃ。ヒロイ殿、用意は良いかえ」 「へい。待ってやした」 ヒロイは丁度良いタイミングで熱燗を持ってきていたのであった。 こうして無宿人街に遊びにくる奇特な人間がまた一人増えたのであった。 そこで聞いたのが、細谷十太夫を含めた無宿人街対町奴・侍奴の壮絶な死闘であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/30 09:20:43 AM
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