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カテゴリ:徒然奇2
ま、俺はアパート住まいだが、
部屋に入った瞬間 「あ、暖かい」 と思った。 メガネが曇ったので一瞬暖房をつけっぱなしかと思ったけど 簡単だ 残業帰りだったので下と隣の部屋の人が先に帰ってきていたので 俺の部屋も暖かくなっていたのだ。 うちのアパートは長屋である。 風邪を引いたら連絡を・・・ クルマが動かなけりゃ電話・・・ 暫く見かけなけりゃドアをノック・・・ 大家さんが良い人なんだよなあ。歳も近いしたまに呑む この間時効の話がでていた。 「明治に制定されたものだから改定当然」 と言っていた。 当然だ 現在の少年法ももともとは戦後すぐにできたもので 「戦争でご両親をなくし、指導されることもなく また生活上止む無く犯罪に走った少年の更生を基本方針として・・・」 という感じだったらしい。よく分・か・り・ま・し・た。 加害者保護という観点がある・・・のか? が、今度は弱者排他という行動に結びつく法の執行者も出てくるので 本当にバランスが難しい 条文では人は救えないのだ。条文・文書を遂行する人の心なのだ。 心のあり方を条文にできるのか?それを追求しているのが色々あるが・・・ 究極は好みの問題になる。 魂は体という器に入り、心という感情で器を動かす。 理不尽大王 数年前の事を思い出した。 自転車が盗まれた・・・俺のじゃないけど。 呑んでいたのだがサドルだけがないのだ。 「サドルがない」 同僚の台詞に俺は大笑いした。どんな悪戯だ。 「ぎゃはははは。バッカな遊びしてるなあ」 ここまでは良かった。 と・こ・ろ・が。 人通りのない通りの向かいに20歳くらいの小僧が立ってにやけていた。 自転車は良いとして、俺はそのニヤケ面に切れた 奴に寄ると 「こらガキ。自転車返せ」 と怒鳴りまくり胸倉を掴んで(持ち上がった) 振り回した。 「僕じゃありません」 ニヤケ面が消えていない 俺は閉まっているシャッターにそいつを2・3度叩きつけた ガッシャーン ガッシャーン ドンドドン 最後のは地面に叩きつけた音だ ボールを思い切り叩きつける要領だ そうして初めてそいつからニヤケが消え怯えが走った 「いや、間違いなくお前だ。それかお前の仲間だ」 俺はもう一度持ち上げた。 「違います違います」 通りの向こうで数人の同年代くらいの奴らが見ていた。 あいつらか・・・ しかし、何でこいつは片腕で持ち上がるのだ というか、こんな体の弱い奴が街を歩いていてはいけない。 夜の街は一定以上の体力が必要なのだ。 俺は電柱にそいつを放ってぶつけた。 「じゃ、仲間を全員呼んで自転車のサドルを探すんだ。お前は人質だ。 今から0時までの間に見つからなかったお前をサドルにして走る」 一体どのようにして走るのか・・・今となってはやってみたい、というかできるのかな。 通りの向こうにいる連中に聞こえるように俺は言った。 間違いなくこいつが犯人なのだ。 ここで問題 (K澤さん曰く)理不尽大王が俺としても、 俺に胸倉を捕まれた瞬間に良いか悪いかは別にして謝るのが通常の反応だ。 または完全に切れて言い返すか・・・真犯人なら俺の姿を見たら逃げてから後でこっそり返すのが当然なのだ。 しかし、そいつは持ち上げられても平気でニヤケ続け、 叩きつけられて初めてその通常の反応を見せた。 通常の反応とは、逃げ遅れた真犯人だ。 違いますとは言いながら観念する。これが真犯人だ 俺が叩きつけるなんて蛮行は滅多に見れないぞ なぜだ・・・この“子”はなぜこうしていられるのだ 簡単だ。 1.なめている そして、 2.慣れている のだ。 そうして、 3.諦めている のだ。 1.がまずより大きく心を占めていただろう。悪戯なのだから。 だが、確かに2.があるのだ。1.も大問題だが、2.も大問題だ。 最後の無抵抗ぶりは3.だが、生命力がない。これは別に良いや “俺”を社会に置き換えてみると良い。 法や常識、ルール、共同体・・・悪でも暴力でも良い。 法律(警察)をなめているが、法律(警察)に関わるのに慣れていて、法律(警察)にすぐ諦める 暴力をなめて、暴力への関わりに慣れていて、暴力に対してすぐ諦める 慣れるというのは実生活だけではない。頭の中のリアルも含む。 残念ながら彼は今回頭の中のリアルを越えてしまって、あっという間に諦めたのだ。 俺の同僚達が集まってきてその場は収まった。 しかも疑わしきを平気で罰していたと俺が批判された 俺の怒りの前に善悪は関係ない・・・などと嘯くつもりもないが・・・ 「自転車じゃなくてこいつが気に喰わないだけだ」 という台詞は完全に悪人だな 翌朝、 「サドルちゃんとありましたよ」 自転車を取りに行った同僚が報告してきた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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