soul-eye

ダークナイトを闇の騎士だと知らず、

From Dusk Till Dawn' opening titleの暗黒の闇かと思っていた。




ダークナイト・ライジングの公開日に併せてうっかり野郎から電話が入った。

うっかり野郎、ボクシング


「sugaはダークナイトを見るべきだ。お前なら分かる、あのリアリティを」

で、俺は先にライジングを見たのだが、その報告をした時に酔ったうっかり野郎からは

「俺が言ったのは一作目だぞ」

と言うことだった。

な、うっかり野郎。

ダークナイト・ライジングのベイン・・・あれは俺の体型だろ？！

ま、まあそれは置いておいて。

ダークナイト、ライジングに出てくる全ての登場人物に

共感します。

登場人物が人間の心にある要素全てを典型にして表しているんだよ。

ゴッサムシティは、人間そのものと捉えれば良い。

そして、ダークナイトではヒロイズムに浸るバットマンであったが、

ライジングでは本当のバットマンになった。

これは、るろうに剣心の大友監督の「龍馬伝の前半は龍馬が龍馬になるまでの物語である」

という言葉をそのまま借りることができる。

バットマン、そしてライジングは、

バットマンがバットマンを選択し、バットマンになった物語である。

ビギニングでバットマンになったのではない。それはバットマンの形になったのだ。

長いのだ、両作も。

分かっているくせに「どうなるんだよ、これ」と思わせる。

残り20分しかないじゃないか！で、ガッとやる。

・・・ああ、俺の得意技じゃない。加藤秀夫無頼控えシリーズは、

最後に英雄が怒りの頂点に任せて頭をフル回転させて力で解決する。





ジョーカー・・・

全員に共感できると言った。

ジョーカーは深遠な哲学者だ。行動派虚無思想家だ。ジョーカーの勝利ではないか。

バットマンはトリックを使うしかなかった。

これ、よくアメリカ人がやったよな。プラグマティストの楽天家がよく描いた。

ヘミングウエイが打破しようとした本音に迫ったのではないか。

ゲイン・・・

時折闇のイージス、暁のイージスという漫画を話題にした。

闇のイージス

闇のイージス

そこに出てくるバタフライは凶悪なテロリストであるとともに

「「私の名は“蝶”！ 完璧ならざる世界に戦いを挑む、君の友人である！！」

という言葉を吐き、俺もうっかり共感してしまった。

ゲインはそれを目指した。

俺は護る者であるが、時折挑む者にもなりたくてしようがない時がある。

護る者である時の暴力は躊躇ないが、挑む者である時は躊躇してしまう。温いのだ。

話がすっかり逸れたが、ライジングも全員に共感できる。

選択なのだ。言ってしまえば選択なのだが、さて、同時期に観た他の映画で言えば

マチェーテに共感するとすれば、トゥーフェイスに共感できないだろうか。



紹介した作品は、ディティールはナンセンスだがエッセンスは深い。

もともとサブカルチャー（カルチャーもだよ）はパロディであり、社会批判である。

ナンセンス度が高ければ高いほど、それは社会の闇の深さを表している。

そう表現しなければ、スポイル（または抹消）されるし、

一応守られているという前提の社会に於いて、観る方（読む方）も落ち着かないからだ。