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テーマ:介護・看護・喪失(5317)
カテゴリ:介護医療関係
今春公開された映画で、それなりに話題になっていたと思う。
42歳で脳梗塞に倒れたELLE編集長ジャン=ドミニク・ボビーが、唯一動かせた左目のまぶたで書き上げた本が基になっている。 映画では、一体どうやって瞬きで本を書いたのかが明確に分かっただけでなく、本人が見た世界の映像化という導入部が、患者を疑似体験するような効果をもたらしてくれる。 とってもお洒落な生活をしていた人だから、映画もそんなファッション&出版業界の雰囲気や、フランスの雰囲気が、暗すぎない、素敵な作品として作られていた。 私は映画を見た後、本も読んだ。映画では映像として簡略化されてしまった部分もあるジャン=ドーが発したひと言ひと言が、痛いようにも感じられた。本を書く前に、友人や仕事関係者に手紙を書いたことや、医師や看護師について彼がどう感じていたかなどがよく分かる。 映画と本で相互補完していると言ってもいいかもしれない。特に同様の家族を持つ者にとっては。 トマ女さんはロックトインではないけれど、身体の動きや、言葉を発したいのに思うように頭も口も動かない。何かし始めても、すぐ諦めてしまう傾向もある。 調子のいいときには、「まさかこんなになるとは思ってなかったから、悪いわね…」なんて、泣かせることを言ってくれたことも…(つい数ヶ月前) 完全にロックされたわけではないけれど、トマ女さんも重たい潜水服を着せられて、疲れやすく、考えも思うようにまとまらない…、といった感覚なのではないだろうか? だからこそ、「話したい」という気持ちを、意識するしないに関係なく、高めてあげるような、「ハイ」な接し方をしないと、会話をする力が出ないのかもしれない。 そんな風に、トマ女さんの感覚を想像することが、ある程度だけれど、できるようにしてくれた映画&本だ。 2008年07月04日発売潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】 潜水服は蝶の夢を見る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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