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完熟トマトの介護&リハビリ生活

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吾が輩は野良猫である ルキシトさん
2011.07.01
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カテゴリ:グリーフケア
トマ女さんが亡くなってからの一連のいろいろの中で、家族の意見が結構分かれたことがある。遺影とお香典返しを選んだ時だ。

遺影は、葬儀屋さんの「親指の爪くらいの大きさであれば、引き伸ばしても大体大丈夫」という言葉を参考に、大急ぎで比較的近年の写真をひっくり返した。

くも膜下で倒れた後、ある程度回復してからは、意識的にいい表情の写真を何枚も撮ったけれど、やはり本来のトマ女さんの雰囲気とは違う。不自由さが写真に表れているのではなく、むしろ笑顔は輝くようで、芯の強さは透明感すら感じさせるものもあった。でも、元気だったころには決してしなかったショートカットで、この頃の写真は、リハビリに励むトマ女さんの姿と切り離すことができないからだ。

いくつか候補を選んで父と姉と3人で決めようと思ったが、意見が合わない。私は一番いい笑顔の写真で、少し若いころのものということには目をつむる考え。姉はもっと最近の、病気になる直前のころのものでないとおかしいと言う。父の基準はなんだかわからないが、姉とも私とも違う好みを言う。

葬儀屋によるとこういうことは少なくないらしく、やむなく母方の親類が集まったところで意見を聞くと、圧倒的多数で、私がいいと思った写真に決まって、めでたしめでたしスマイル

後日、写真立てに入れていろんな写真を並べてみると、いい笑顔というのは、結局ほぼ同じ表情で、10年、20年くらいの歳月では、雰囲気に多少の差異があるものの、そんなに変わるものではないことも分かった。

一方、葬儀が終わった後の香典返しの品物選びは、基本線では後に荷物として残らない「食べ物」ということで一致したものの、こだわり方には大きな違いがあった。

事故などで亡くなった友人がいる私は、親御さんが生前の彼女の思い出話から選ばれた品を受取ったことがある。ところが近しい友人でそうした経験がなく、専業主婦の姉は、「香典返し」というと、旦那さんの仕事関係で受取る義理的なものばかり。香典返しに「こだわる」という感覚自体、最初は分かってもらえなかった。

何度か話をし、トマ女さんの長年のお友達から頂いた、お悔やみ状を見てもらい、こうして多くのお友達がトマ女の死を悼んでくれていて、その気持ちへのお返しということ、そして嫁に出た姉は受取る側でもあるわけで、「自分がもらって嬉しいもの」「故人に思いを寄せるひとときのもてるもの」ということで、送る側の気持ちも統一した。

そうなるとさすが我が姉、いい案を出してくれたウィンク

トマ女さんが本当に気に入って、わざわざ都心のデパートまで買いに行ったりしたというフランス製のクッキー。輸入物のため自分で買うにはちょっと"お高い"けれど、こういう贈答品としてならちょうどいい。これにイギリスのエリザベス女王戴冠50周年記念の紅茶を献上したというブランドの紅茶を添えて、箱詰めにしてもらうことに。

どんなふうに受けとめてもらえるかは、受取られる方々次第だけれど、ちょっとだけすったもんだをして、ちょっとだけれど工夫をして、トマ女さんにも自信を持って見守ってもらえる、お香典返しの品物を決めることができたと思うことができた。





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Last updated  2011.07.11 06:19:52
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