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仏ふつキール・ロワイヤル

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2005.05.03
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カテゴリ:非日常の超日常



日曜日はメーデーだった。

通常ならば祝日になるこの日も、今年は日曜日にあたってしまった。

日本のように、振り替え休日というシステムがないフランスで、しかも休日に異常な
執着心をもつフランス人(ほとんど例外なし!)はみなさんむくれていた。


しかも5月8日も、本来なら祝日(第二次世界大戦戦勝記念日)で、休みなのに、
これまた今年は日曜日。


私は現在働いてないので、なーんにも問題ないのだけれど。


メーデーには、親しい人同士で(主に家族、一族間で)すずらんの花を贈りあう。

このすずらんは、幸運をはこぶのだとか。


そしてこの日、我が家は、そば茶(だんな)のおばあちゃんの家に昼食に招かれていた。

私たちはもちろん、すずらんの花を行きがけに買っていく予定だった。
(道端で子供たちが売っている)


このおばあちゃんは、家から車で40分ほどの田舎(うちも田舎だけど、もっともっと田舎)
に住んでいる。


このおばあちゃんは、とにかく心配症で、到着予定時刻から、10分ほど遅れると、もう心配して落ち着かなくなる人。


ちなみに我が家は、超・遅刻常習犯。

遅れないと驚かれるくらいである。

でも、このおばあちゃんの家に行くときだけは、遅れないようにかなり注意していた。



赤子がいると、出かける準備をするのに、通常の倍の時間をみなくてはいけないというのは小さな子供を持つ親なら常識だろう。

でも今日は、余裕をもって、3倍の時間を準備にとれるように、朝7時半に起床(私にとっては驚異的に早起き)。

12時過ぎくらいに到着する予定なので、11時30分前に家をでるとしても、充分間に合うと踏んでいた。


だけど、そこは超・遅刻常習犯の私たち。


余裕がありすぎると、「楽勝ムード」が漂いはじめて、朝のコーヒーを飲みながらだらだらとおしゃべりしたり、よちよちと歩きはじめたコチュ(赤子)と鬼ごっこして遊んだりしてしまう。


どんなに早起きしようとも、時間がありあまっていようとも、「予定より早く着くように家をでる」という発想がないのが、常習犯のゆえんである。


だけど、こんな風に余裕でいると、その後トラブルが発生して、3倍とった準備時間も
まったく意味なし状態になるのもまた、いつものことである。


この日も、コチュのオムツを替えた直後にコチュがうんこしたり、コチュの離乳食を作っているときに、コチュが派手にころんで大泣きしはじめ、なぐさめているうちになべがこげたり。


お隣さんが「バター少し分けてくれない~?」と来たのに対応したそば茶が思わず
30分も玄関先で話しこんでいて、私が後ろからけりを入れたり。


「今日は30度まで気温が上がるらしいから、コチュはTシャツ一枚でいいよね~」
と私が決めると、「田舎は急に冷たい風が吹くから、Tシャツ2枚重ねにしよう!」とそば茶がいいだし、これでまたもめて15分くらい時間をロスしたり。


出かける直前にそば茶が、「眼鏡がない!!」とさわぎだして家中を大捜索したり。


きわめつけに、行く途中ですずらんを買うつもりでいたのに、小銭を用意するのを忘れて、
銀行をさがしてお金をおろしてすずらんを買ったら、おつりがないと言われ、値下げ交渉したりした。(まけてもらった~♪)



こうして結局、おばあさんの家についたのは、12時50分。

大・遅・刻。


私たちが到着したとき、おばあさんと、親戚の人をふくめて4人のひとが、屋外に用意されたテーブルに着席していて、ようやく着いた私たちを じーーーーっとみていた。


わぁぁ・・・針のむしろだぁ・・とちょっと固まる私(←なら遅刻するな)。


そば茶はすかさず 1.コチュ(赤子) 2.すずらんのブーケ (ご機嫌取りグッズ)を手にとって、


「いや~~、 このすずらんを探すのにちょっと手間取っちゃった、ごめんなさ~い」とにこにこ笑顔で花を渡していた。


いくらなんでも花さがしは、50分遅刻の理由にはならないと思うけど。


どうやら花よりも、よちよち歩きの赤子がニコニコ歩く姿が効果的だったようで、
私たちはなごやかに昼食をとることができた。

サンキューコチュ★


天気も抜群で、外で食べるのも久しぶりで、ダイエット中にもかかわらず、やっぱり
食って飲みまくってしまった。


その後はベビーカーを押しながら、近所の牧場やら野っ原やらをたらたらと散歩。

家に飾る用に花を摘んだりしてみた。


コチュが寝たのに乗じて、私たちも昼寝。


起きたらそば茶のおばさんにあたる人が用意してくれていた紅茶とクッキーを食べた。


あまりに静かで、なごやかな、完璧な日曜の午後に感動してしまった私たち。


そば茶「田舎って・・・いいよねぇ・・・食べるものすべてがおいしく感じるよぉ」

私「そうだねぇ。この辺に引っ越そうか~」


おいしいものに目がない我々は、そんな理由で田舎への引越しを真剣に考えはじめた。


ロマンに生きるそば茶は今も大真面目に引越しを検討している。


現実的な私は、いろいろ考えるとやっぱりド田舎はなぁ~~さすがに色々大変だしなぁ~~と思い始めているけれど。


まぁ、もしかしたら本当に引っ越すことになるかもしれない。









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最終更新日  2005.05.03 06:28:57
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