海外で暮らしていて何よりも気になるのが、日本に住む家族の健康、安否である。
楽天的に、「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせて暮らしているような気がする。
今日の午後はフランス語の授業があったので、コチュ(赤子)はそば茶の実家に預けた。
そば茶は午後の仕事が今日は16時からと遅かったので、ひとり家で留守番していた。
14時半すぎ、授業中、携帯が鳴った。
私の携帯は「鳴らずの携帯」で、これが鳴ることはものすごくめずらしい。
超非常緊急用に持ち歩いているだけで、本当に役に立ってない。
私の友達が少数精鋭・・てゆうか少ない(大涙)のと、私が電話苦手で、めったに自分からかけることはなく、友人もそれを知っているから・・というところか。
めったに鳴らない携帯なので、私は自分の携帯の着信音と分からず、ほったらかしにしておいたら切れた。
となりに座っていたアルジェリア人の女の人に、
「あなたの携帯がなったんじゃない?」
といわれ、
「ええ~~、ありえないわ~、あはははは」
と答えつつ、一応、着信を見てみると、確かに非通知の人から直前にかかってきていた。
「何かあったに違いない!!」
と即座に思い、教室を飛び出して、家で留守番しているはずのそば茶に電話。
コチュがケガをしたとか、落っこちたとか、そういう事態だろうと思ったのだ。
そば茶「ヨシ(弟)からさっき電話があったよ~」
私「ヨシって・・私の弟?!本当に?それで、何の用だったの??」
血がそうさせるのか知らないが、私の弟も本当に電話しない人間で、私がフランスに来て以来、電話してきたのは、結婚したとき、一回だけ。(しかも1分も話さなかった)
その弟が、電話してきたって・・・緊急事態に違いない!!(真っ青)
そば茶「よくわからなかったけど・・マルモット(私)がいるかどうか聞かれて、いないといったら携帯にかけるというから、携帯の番号教えたよ。(彼から)電話なかった?」
ってことは、さっきの非通知の着信は弟!!
固定電話に電話して、その上携帯にまでかけてくるなんて・・・(パニック寸前)
両親の身になにかあったのか・・!!!
私「他には何も、言ってなかった?急いでるとか・・そういうこと!」
そば茶「う・・ん、急いでるかんじではなかったけど・・。マルモットが17時半ころには家に帰ってくると言ったら、じゃあその頃にまた電話しよう、と言ってたよ。
だから、17時半以降は家にいるんだよ。 あ、今も、またヨシが電話かけてくるかもしれないから、この電話切ったほうがいいね、じゃあね!!がんばって!!」
私のびびりをかんじて、そば茶までびびりだす始末。
それにしてもあの弟が、17時半以降にかけなおすって・・・どうしよう!!今日にでもエアチケット取って帰国するようなことだったら・・・!!!
とりあえず携帯は履いていたカプリパンツのポケットに入れて、すぐ取れるように待機した。
カプリパンツはぴったりしていて、おしりに携帯を入れるなんて絶対イヤなんだけど、そんなレベルのことは言ってられない・・事態に違いない!!
その後は授業終了まで携帯は鳴らず、私はコチュを引き取りにそば茶実家へ。
いつもならそこでまたお茶を飲んでダラダラとおしゃべりするのだけど、なんといっても17時半までに帰らないといけない。
私「どうも弟が電話をかけてくるみたいだから、今日はさっさと帰るね」
義両親「ええっ?!弟?・・・なんか重大な事態じゃないといいねぇ・・・」
と深刻な顔。
ああ、心配させてしまった、言わなければよかったか・・。
とりあえずコチュをひっつかんで車に入れて、ダッシュで家に帰宅。
自宅の電話の着信はなし。
17時半、18時、と電話を待ったがぜんぜんならない。
耐え切れず、弟の携帯に電話することにした。
日本時間だと午前1時だから、寝ている時間だろうけど、本当に非常事態なら寝てはいないだろう・・・。
数回鳴らすとすぐ、弟がでた。
私「もしもし!私!どうしたの??なにがあったの??!!」
弟「いや~~~、やばいよ、これはほんと~~にやばいよ!!やばい、やばい!!」
私「・・・・何が・・・?」
どうも口調が嬉しそう・・ってゆーか絶対酒入ってるな、コイツ。
弟「日本がね~~なんと!ワールド・カップ出場を決めたのよ!!世界で一番乗り!!2-0!!知ってた?知らないでしょ?まいったね~コリャ!!わはは!」
まいったね~、コリャ!?・・・(怒・怒・怒)・・サッカーか・・・(怒・怒・怒)
彼は私が“隠れ・超インチキ・サッカーファン”なのを知っていて、ニュース速報してくれた、というか、奴がタダ単に嬉しくて誰とでもいいからこの話をしたかっただけか・・。
そういやアイツはサッカー・バカだったな・・。
電話嫌いでモノグサの弟に、国際電話、しかも携帯にまで電話をかけさせる、サッカーは偉大だ。
べらべらべらべらと、ワールドカップ最終予選の経過と、もうすぐのコンフェデレーション・カップについてしゃべり倒す弟。
私の結婚式なんて、このニュースに比べたら、彼にとっては米粒とサッカーボールくらいのちがいがあるのだね・・。
その後、そば茶帰宅。
そば茶「ヨシからは電話あった??何だった??!」
私「あの大ボケとはしばらく口をききたくないわ・・・サッカーで日本代表がね、ワールドカップ出場を決めたんだってさ・・・・大ニュースでしょ・・」
そば茶「ああ~~、なるほどねぇ~~。ヨシらしいね。そういえば午後に僕が電話を取ったときも、嬉しそうな声だったよ。」
私「・・・・え?」
そば茶「今度日本に行ったときは、また一緒に釣りに行こうね、って話もしたし。“味つきさきいか”は今も食べてるの?って聞いたら爆笑してたしね。」
それをはやく言え!!このミトコンドリア!!!
海外で暮らしている者の不安は、所詮本人にしかわからないものらしい。
もう携帯が鳴ってもムダにびびることはやめよう。
そう考えるといい予行練習?というか訓練になったのかもしれない。
ありがとう、 大ボケ・サッカーバカ(弟)とミトコンドリア(そば茶)よ。
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プロフィール
marmotto
フランス大好き!でも何でもなかった私がなんだか成り行きで結婚、出産し、全然フランスっぽくない生活を送っています。
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