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2007.03.16
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カテゴリ:【B】
        クリシュナ神とアルジュナ


"Don't worry, be happy."
あの難解なバガヴァッド・ギーターはこれを表現していると言う人がいました。
半分ジョークで、半分はマジ。
肩の力が抜けて元気が出て来る良い言葉だなと思います。

「心配しないでクリシュナ神について行けば大丈夫!」
この場合のクリシュナとは自分の外側にいる神様ではなく、アートマン(魂、真我)、人間の心の深層に存在する高次元の自己(英語ではセルフと翻訳される)、自分の内面にある神のような本質の部分を指しています。
今風に言えばハイヤーセルフですよね。

ヨーガの聖典でもあるバガヴァッド・ギーターは、バーラタ族の戦争物語を使って人間の精神的な修行の世界を表現しています。
クライマックスの最終第18章の最後で、馬車(戦車)の御者に扮したクリシュナ神が大叙事詩マハ-バーラタの中の同族間戦争クルクーシェトラの闘いが始まる直前に、親戚のカウラヴァ族に弓を引くのを躊躇するパンダヴァ族のアルジュナに向かってこう言います。
 
 心のすべてを私に与えよ
 私に帰依せよ
 私を祭れ
 私を崇拝せよ
 そうすれば汝は私のもとにくる
 これは汝を深く愛する私の約束である

 すべての義務を放棄して
 私のもとに身を寄せよ
 もう悲しむ事はない
 汝をすべての罪から解放しよう

クリシュナ神がアートマン(魂、真我)の比喩であるなら、アルジュナの属するパンダヴァ族は高次元のマナス(心、マインド)、敵対するカウラヴァ族は低次元のマナス(心)、馬車は人間の肉体、五頭の馬は人間の五感、戦争とはダルマ(人生の義務、それは真理を学び意識を進化させて行く事というのがヒンドゥーの伝統的な考え方。)

自分自身の高い本質を信じて、行為の結果を期待しないで行動して行けば覚醒する、解脱する、悟る、エトセトラ。
自分の高次元の自己と一体化して生きれば、真の意味で自由になり幸せにもなれますよという事らしいです。
敵が自分の低次元の心なのだとすれば、闘いを渋るアルジュナの気持もよくわかりますよね。

バガヴァッド・ギーターは別名奉仕のヨーガ、活動のヨーガを解説していると言われます。
奉仕といっても別に狭い意味でのボランティアを指すのではなく、行為とその結果を直接的に結びつけないという意味のようです。

アートマン(ハイヤーセルフ)からのサインは、純粋に直感的なひらめき(右脳)を通してやって来ます。
天啓的なひらめきはいつもシャープでタイミングが絶妙、ヴァイブレーションが上がって気持が良いですよね。

得られる結果を期待しながら何かをするのではなく(これは左脳である頭脳の働き、思考は真我ではなく自我のテリトリーなんだそうですよ)、本当に心惹かれる事、ワクワクする事をひたすら行動に移して行けば、思いもかけないスケールの大きなギフト(恩恵)を受け取るようになる。

頭を使って考えいてても自分の過去の経験の範疇を超えられませんが、ひらめきには限界がなくて無限の可能性を秘めているようです。
何か新しいものを発明した人がよく、一生懸命やっていたらある日突然ひらめいたとか言いますよね。

ヨーガでは全知全能で偏在するアートマン(ハイヤーセルフ)などと表現します。
どうも人間の心の深層には、全ての人々や宇宙全体とつながっている秘密のアクセスがあるみたいですよ。





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Last updated  2007.04.24 19:01:37
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