■■■フォトキナで発表された新しいライカ■■■
フォトキナで発表された新しいライカは噂されていた「Leica M10」ではなく、「Leica M」でした。型番の数字が取れてしまったので、これからモデルチェンジがあった場合はどう区別するのでしょう(笑)。 外観はこれまでのデジタル版M型にもあった、ファインダー窓左横のブライトフレーム採光窓はとうとう無くなりました。ファインダーはLEDを使用してフレームを表示するという、これまでにも限定版のM型ライカに使用されていた方式へと変更になりました。 背面の液晶パネルはやっと3型92万画素のタイプへ変更になりました。操作系の十字キーとダイヤルが分離され、スピーカーの穴らしきものもあり、これまでと大きく変わっています。 イメージセンサーは2400万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載したため、ライブビューも可能となりました。このため「Leica X2」と同様の外付けEVF(オリンパスのVF-2ですね)が使えるようになりました。 さらにライブビュー時には「ライブビューズーム」機能と「ライブビューフォーカスピーキング」機能を搭載しました。 交換レンズはマウントアダプターを使うと、ライカRマウントのレンズも使えます。内蔵の光学ファインダーでは超広角、望遠、マクロレンズ、魚眼レンズ等は撮影できる範囲が正確に分からず、ピント合わせも不正確になる場合もあります。 しかし、ライブビューが使えることによって、一眼レフカメラのように使用できるレンズの制限が無くなりました。ピント合わせも光学ファインダーによる二重像合致方式ではなにかと制限がありますが、ライブビューを使うと一眼レフカメラと同じイメージで行えると思います。 デジタル版M型は下位機種の「ライカM-E」も発表されました。有効1,800万画素CCDセンサーを搭載し、旧機種の「Leica M9」の機能を踏襲しているようです。「-E」とはエコノミーの事でしょうか。 外観はデジカメ Watchの画像の色は明るい灰色のように見え、とても安っぽい印象です。これでは購買意欲が萎えるのではないでしょうか。 ライカカメラジャパンのホームページではもう少し暗い色のようで、印象が大きく違って見えます。どちらが本当の色なのでしょう。 「Leica M9」と違う点は、USBポートとフレームセレクターレバーが省略されているようです。 「Leica M」のドイツでのは6,200ユーロで、1ユーロは102円ほどなので単純に円にすれば632,400円ですが、「Mモノクローム」は6,800ユーロで、日本での希望価格が84万円とすると、1ユーロは約123円となり、「Leica M」は76万5800円ほどと予想されます。 フルサイズのイメージセンサーを搭載しているとは言え、「Leica M」はミラーレスデジタル一眼では最高価格だと思います。廉価版の「ライカM-E」はドイツでの価格は4,800ユーロですが、ライカのレートでは約59万円で、ちょっと手が届かないですね。 「Leica M」はCMOSセンサーを搭載することで、ようやくライブビューも可能になりましたが、新機能は既に国産のミラーレスデジタル一眼に搭載されている機能です。 富士フイルムの「X-Pro」では光学ファィンダーにライブビューの画像も投影できる、ハイブリッドファインダーを既に実現しています。 ライカが新機能として宣伝している機能は特に目新しい機能ではありません。日本メーカーのミラーレスデジタル一眼と較べるとフルサイズのイメージセンサーを搭載しているのは大きく違う点ですが、新機能を搭載するほど日本メーカーとの比較される機会が増えそうです。 ライカの場合はデジタルではどうしても日本のカメラメーカーの後追いとなり、今後の機能による差別化が難しくなる感じがします。 それにしても「Leica M9」は2009年9月9日に発表され、わずか3年で高価なデジカメが約3年でモデルチェンジとなりました。中判デジカメの「Leica S2」もモデルチェンジしました。 銀塩フィルムを使用するM型ライカでしたら、初号機の「Leica M3」でもまだまだ使用できる個体は多数あり、それなりの価値を保っています。高価なライカがあっという間に旧型になるというのは、なかなか割り切れないものがあるのではないでしょうか。