■■■ ニコンの銀塩フィルムカメラ「Spper Nikon F3」を購入 その5■■■
ニコン「F3」は十年以上も前に販売中止になった一眼レフカメラですが、備忘録を兼ねて一応各部の操作についてご紹介します。 電源スイッチはシャッターレリーズボタンの基部にあり、右に回すと電源が入りますが、固くて回しにくいです。 シャッターレリーズボタンにはケーブルレリーズ用の穴があります。巻き上げレバーはプラスチックのカバーで覆われています。巻き上げのフィーリングは滑らかで好感触です。 底面に電池室があり、電池は「LR44」を2個使用します。電子制御式シャッターのためこの電池が切れていたりすると使用する事ができなくなります。 電子制御式シャッターはチタン幕で横走りのため最高速度が1/2000秒です。 一応外付けのモータードライブ「MD-4」も用意されていますが、これをつけるとボディの高さが倍ほどに大きくなってしまい、携行性が悪くなってしまうので、手巻きで使いたいですね。 フィルム巻き戻しクランク周辺にアダプターを介してホットシューが付き、ストロボを使うことができます。現在のデジカメからするとちょっと使いにくい点です。 露種補正はレバーは巻き戻しクランクの右横にありますが、これも操作しづらいです。裏蓋ロックレバーも設置されていますが、これを解除して巻き戻しクランクを持ち上げると裏蓋が開きフィルム室が現れます。 見づらい画像となりましたが、ファィンダー内部には液晶でシャッタースピードが表示されます。バックライトも装備されていますが、文字が小さくバックライトも暗くて心許ないです。 1980年当時は液晶は新しいデバイスだったようです。しかし、経年変化で液晶が薄くなっている個体もあるようです。 ファインダーの中のシャッタースピードの横には絞り値が表示されますが、これはペンタプリズム下の穴からレンズに刻印されているF値を読み取り、ファインダー内に表示されるようになっています。 このため、絞りリングのあるニコンのレンズは絞り値が2段に表示されていますが、この仕組みを知らなかったたため、なんでレンズに2段でF値が刻印されているのか分かりませんでした。 バックライトを点灯させる赤いボタンはとても小さくて、操作しにくいですね。 レンズマウントは不変のニコンFマウントです。ボディから絞りを制御する最近のGタイプの交換レンズは装着することはできても「F3」では使用する事ができません。不変のFマウントと言いつつも、50年以上の歴史があるため、レンズとマウントの関係が複雑で分かりづらいです。 「F3」のボディの骨格は含銅シルミン系アルミダイキャストで、外装は真鍮です。このためボディの重さは約715グラムもあり、持つとずっしりとした持ち重りがします。 ちなみに「F3」の後継機種「F4」の外装は何を血迷ったのか、エンジニアリングプラスチックで、ボディの文字もプリントとなりました。このため長く使っているとボディがテカテカになり、文字類も禿げてしまうそうです。 「F4」はモータードライブが内蔵され、ボディが大きくなったので、真鍮製だと重くて実用的では無く、軽くて丈夫なエンジニアリングプラスチックとなったのではないでしょうか。「F4」は電池抜きの重量が1,090gもあり、「F4E」ですと約1,400gにもなります。 「F5」以降は外装がマグネシウム製となり、その後のニコンのデジタル一眼レフカメラは高級機種はマグネシウム合金、下位機種はエンジニアリングプラスチックとなりました。 最近のデジタル一眼レフカメラの高級機の外装はマグネシウム合金がよく使われていますが、「F4」の発売された当時は、燃えやすいマグネシウム合金を加工する技術はまだ確立していなかったのかもしれません。 真鍮製の「F3」はちょっと重いですが、真鍮製のボディは今のデジカメには無い風格があり、金属カメラ好きにはたまらりません。