■■■APSフィルムが生産中止■■■
あまり大きなニュースにもならなかったので、最近知りましたが、富士フイルムは銀塩フィルムのAPSフィルムを生産中止としたそうです。コダックは既に生産を中止していました。 APSはAdvanced Photo Systeの略で、富士フイルム、コダック、キヤノン、ミノルタ、ニコンの5社で共同で開発されたフィルムシステムでした。 1996年に新しいフィルムシステムと言うことでなり間の入鳴り物入りりで発売され、各社から対応したコンパクトカメラや、レンズ交換式一眼レフカメラも発売されました。 APSフィルムは、フィルムはカートリッジ入っているのは35mm判フィルムと同じですが、撮影時の設定、日付、時間、プリントサイズ、枚数指定などをフイルムにコーティングされた磁気面に記録できたりと当時は画期的でした。 カメラへもカートリッジを挿入するだけで良く、カートリッジを途中で交換できる事で使い勝手も配慮されていました。 しかし、現像所には新しい現像システムを導入しなければいけないなどの問題もあり、結局全世界的には普及しなかったようです。また、ちょうどデジタルカメラの普及期と重なってしまい、さほど普及しないうちにどんどん先細りとなって、とうとうフィルムの供給がストップしてしまいました。 これで全世界で何千万台が売れたのか分かりませんが、世界中のAPSに対応したフィルムカメラが粗大ゴミとなりました。 APSフィルムは9:16のHサイズ、2:3のCサイズ、1:3のPサイズの3種類のフォーマットで撮影できました。結局Cサイズがデジタル一眼レフカメラに使われたイメージセンサーのサイズに近かったため、デジタル一眼レフカメラで使用されたイメージセンサーはAPS-Cサイズと呼ばれるようになりました。 さらに大きなイメージセンサーを搭載した一部のデジタル一眼レフカメラのイメージセンサーは、APS-Hサイズと言われています。 しかし、本家のAPSシステムが無くなったことで、そのうちなぜイメージセンサーのサイズがAPS-Cサイズというのか出典が不明となりそうです。 現像したフィルムはカートリッジに入ったまま返却されたたため、パソコンに画像を読み込むには専用のフィルムスキャナが必要でした。しかし、APSフィルムに対応したフィルムスキャナは現在では発売されておりません。 昔APSフィルムに対応した銀塩フィルムカメラを使用していましたが、本体はもう手元になく現像済みのフィルムだけが手持ちに十数本残っています。残念ながら自宅ではMacへ取り込むことはできなくなりました。 さて、銀塩フィルムカメラではフィルムがなければ使えなくなりますが、デジタルカメラでは記録メディアとバッテリーが無いと使用できなくなります。 初期のデジカメに使われていたスマートメディアは今は手に入れるのは難しいですね。また専用のリチウムイオンバッテリーもメーカーが製造を中止すると手に入れるのは難しくなると思います。 ちなみに、リコーの「GR」シリーズでは専用のリチウムイオンバッテリーの他に、緊急用として単四電池が使用できます。リチウムイオンバッテリーが無くなっても使用できるのはメーカーの良心ですね。 モデルチェンジが激しいデジカメは長期間使用する事はないと思いますが、もしも気に入ったデジカメがあっても、未来永劫にわたり使用し続けるのは難しいかもしれません。 もっともデジカメのイメージセンサーや内蔵部品にも寿命があると思いますので、記録メディアやバッテリーを確保しても銀塩フィルムカメラのライカのように、数十年も使用し続けるのは難しいかもしれません。