京義線
きのうは NHK 衛星第2で韓国映画をやるというので鑑賞してみた。感想を一言でいうと「不思議な後味を残す映画」。『3日もあれば撮影完了か?』と思うほどシンプルで、日本の2時間ドラマより低予算だと思う。「へぇー」と思ったこと(その1)韓国の地下鉄運転士は忙しい。日本では車掌が担当する車内アナウンスまでこなしていた。しかも、「今日が人生最高の日になりますように」なんてセリフを言ったりする。日本では車掌がアドリブで面白いことを言うのを聞いたことがない。車掌が窓を開けて大声で民謡を歌っているのは見たことがあるが、車内アナウンスは切っていた。アタシは秋田県の田沢湖線で本当に見たんだよ。年配の車掌は赤ら顔をして上機嫌だった。もしかすると少し酔っていたかもしれない。(まあ、田舎だから許す)「へぇー」と思ったこと(その2)韓国のタクシーは安いらしい。どうしてそう思ったかというと、北朝鮮との国境に近い臨津江駅(イムジンガンえき)からソウルまで、主人公たちがタクシーで帰ろうとしたからだ。京義線(キョンウィせん)はディーゼルだからそんなにスピードは出ないだろう。ソウルまで1時間23分というセリフから想像できる距離は5、60キロか?日本で深夜に5、60キロもタクシーに乗ったら4万ぐらいかかるんじゃないか? 最近乗ってないからわからないが、バブルの頃、六本木から伊勢原まで会社のタクシー券で帰ったとき3万円ほどかかった。(距離は40キロちょい)家に帰ってから検索してみるとイムジンガンからソウルは鉄道で52km。タクシー(テクシ)の料金は・・・最初の2kmまで1,900ウォン、その後144mごとに100ウォンずつ加算と書いてある。今現在、ウォンは暴落しているので 1ウォン≒0.08円じゃあ計算してみよう。52kmから初乗りの2kmを引いて50km。50kmを144mで割って・・・(50,000÷144×100+1,900)×0.08日本円にすると2,936円である。映画の中では乗車拒否されたので「ダブルで」というセリフが追加されたが、それでも二人で割れば3,000円ほどだ。韓国のテクシ、安っ! 乗車拒否されそうになったら「トリプル」ぐらい言っても大丈夫だろう。(黒いタクシーは灰色のタクシーと違うので、詳しくはリンクを読んでちょ)「へぇー」と思ったこと(その3)これは2007年5月に韓国で封切られた映画だが、韓国もまた日本と同じで、いい会社に就職するのが難しいらしい。日本人観光客も激減したと言うし、今の韓国経済は日本よりずっと悪いだろう。最後に映画の感想見終わったあと、『どうしてあの娘は、あんなことをしたのだろう?』とか『主人公たちは、あの夜どうなったの?』とか『最後に出てくる本の内容は?』などなど、映画の中で描かれなかったことが気になって仕方ない。つまり、観た人が自分で脳内補完するしかないストーリーなのだ。構成は面白い。ラストも暗くないのだが・・・どうも頭がスッキリしないんだよ。だから、感想を一言でいうと「不思議な後味を残す映画」となる。悪くはないので、もう一度 NHK でやるようならオススメ。