板尾創路の脱獄王
94分と比較的短い映画ですが、体感的には2時間ちょうどぐらいに感じました。(年間100本以上映画館で観ているので、多少はアテになる感覚でしょう)長く感じたのはなぜか?映画の中で板尾は合計4回脱獄しますが、脱獄した途端に簡単に捕まってしまいます。回転が速いからこそ94分で4回も脱獄劇を観られるわけですが・・・たとえば「死刑から逃れたい」とか「どこかに大金を隠している」など、脱獄の目的がハッキリしている方が観客は感情移入しやすいでしょ。でも、この映画の場合は『コイツ、趣味で脱獄しとるんかい?』という見方になってしまうので、途中でバカバカしくなってきます。最後まで主人公の目的が明かされない映画は、途中でラストにしか興味がなくなってしまうんですよ。脱獄のテクニックはけっこう面白いから惜しい!観客に退屈する「間」を与えなければ、これで良かったんです。最初にクライマックスの一部を見せるのをやめて88分ぐらいにしても良かったかな? それなら少なくとも1ランク上がったと思うけど・・・というわけで評価は C+ の「おひまならだけど、ちょっとオモシロイ」。5, 6分カットして一気にラストまでもっていけば B- の「まあまあ」にしたでしょう。