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カテゴリ:そんなこってす
何時の頃からか、
「腹が据わっているかどうか」を、 人を評価する際の基準にするようになった。 若い時はともかく、男子たるもの、 40を過ぎても「腹が据わってない」ようなヤツはダメである。 誰だって困難や不幸に出会うだろう、 それを正面から受け止めたことがあるかどうか、 逃げていてはいつまでも「腹は据わらない」。 でも、最近そうゆう“男”が少なくなった。 現代の社会が構造的にそうなっているのだけれど、 それに気づいている人も、これまた少ない。 ところが昨日、最上級の“男”を見た。 何を思ったか、急にテレビを見たくなって、 国営放送の教育番組にチャンネルを合わせた。 ちょうど番組が始まるところだった。 “男”は慎重に言葉を選びながら、 しかし、明確な意思を持って語り始めた。 どんな虚構も見透かすような眼光・・・ 真実しか語らないような口元・・・ 何者だ?、この男は? クレジットに「作家:辺見庸」とある。 辺見庸?誰だっけ!? ネットで調べて見る。 ああそうか、「もの食う人びと」を書いた人だ! 世界中の悲劇を見てきた人だ。 「・・・地震も、津波も、原発事故も、 買占めのようなことも、全て予兆はあった。 なのにそれを見逃して・・・言葉にしなかった。 ・・・私の責任です」 彼のまなざしから、口元から、ほほの筋肉から・・・ その誠実さが伝わってくる。 そして物事の根源を、問題の本質を把握する感性・・・ CMのない、濃密な一時間。 詩の朗読を別にして、辺見氏のモノローグだけの番組。 食い入るように見てしまった。 ・・・誠実に、真摯に、強い意志を持って行動する“男”。 その生き方を手本にしたいし、 “言葉”について、考え直してみたい、と思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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