テーマ:今日の演奏会(457)
カテゴリ:音楽
マチネで、ジャン=マルク・ルイサダのリサイタルへ。
ワルツ全曲を19年振り、スケルツォ全曲を22年振りに弾く…ということでしたが、当日プログラム変更で、ワルツは4曲のみ。かわりにマズルカがいくつかとシューマンのダヴィッド同盟舞曲集を。今年は、シューマンイヤーでもあったわけで、それもよかった♪ ルイサダは、1985年のショパン・コンクールで5位入賞。私たちには、2006年のスーパー・ピアノ・レッスン(NHK)ショパン編でおなじみになりました。いかにもフランス的な、優雅で機知に富んだ雰囲気、すばらしい音色。一度は生で聞きたいと思いながら、12月4日は早くから本番の予定があり、あきらめていました。 でも、演奏会が2時から松本で…本番は、6:30から塩尻で…。近い! ためらいがちにA嬢に話したら「そういう時はね、絶対行くべきだよ。5:30までに現地入りしてくれれば、搬入は済ませておくから」と瞬時に言ってくれました。感謝! ーーーーー 先日のバルダとはまた違う、でも同じように深い表現。独自のショパン世界がここにもありました。日本でよく聞かれる演奏が、いかに平凡でつまらないことか! よくコンクール評で日本人の演奏について言われることもむべなるかな。ルイサダの、今感じるショパンが匂い立つような…、繊細さとダイナミズム、極端なルバートやつま先で駆け抜けるような軽やかなアルペジオ。あの絶妙な緩急! ワルツやマズルカの3拍子だって、いつも少しずつ違うのです。 ペダリングも、松本音文ホールのひびきの良さを存分に生かしているように思いました。わ~んと残る余韻を充分に聞けるんです! あれはすごい。 ルイサダは、深々と椅子に腰掛け、楽譜を見て演奏します。すべてヘンレ版のようでした。譜めくりは、若い男性です。いいタイミングのすごく上手い譜めくり。ルイサダも、拍手に応えて客席にまずはちょっと頭を下げ、すぐ後方に向き直って、譜めくり青年に深々頭を下げるのです。毎回。ルイサダの性格をよく表していると思いました。 ああ、ピアノっていいわぁ。すごい楽器です。多くの作曲家が、これだけたくさんの曲を残していることの訳が、よくわかります! そして、今の時代のこの楽器を手にしていたら、ショパンもシューマンも、また違った音楽を書いていたに違いありません。それほど、楽器もすばらしく、調律もホールのよさも完璧でした。 ーーーーー 幸せ~な気持ちの後、ほんとは自分でピアノなんて弾きたくないんだけど、しょうがない。お務めですから!(笑) 直前に、A嬢が揃えていてくれたはずの楽譜の中に、足りないものが3曲もあることがわかり、すごーい焦ったり、ドタバタしたまま本番突入。そのうち、「秋桜」だけは、どうしてもコードが曖昧になり、途中でわたしはオブリガートだけにしちゃった。たまにはいいよね~。この日は、ギターのTさんも一緒だったのでほんと助かりました。 100人ほどのお客さんは、みんな歌う気マンマン。「赤胴鈴之助」から「学生街の喫茶店」、はたまた「旅の夜風」や「下町の太陽」。童謡唱歌やなつかしのフォークソング、お約束のロシア民謡まで、途中休憩を挟んでにぎやかな2時間以上のうたごえの会でした。 クラシックの深い世界と、大勢で楽しむうたごえと。同じ音楽だけど、ある意味両極端でよくばった1日でした。 ーーーーー 行きの高速の梓川P.A.からのアルプルの眺め。 雲一つ無い青空と、真っ白なアルプス。信州の大好きな景色です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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