カテゴリ:●読書
もう10年以上前かな、急に推理小説が読みたくなって本屋で選んだのが綾辻行人「十角館の殺人」という文庫本。自分は高校時代は建築科だったし、ページに描かれた館の平面図や変わった建物を設計する建築家の謎にも興味があった。読み終わると、読者の勝手な勘違いで犯人探しを目くらますという方法に、「これだよ!これ」って感じでうれしくなってその後も、たまにこの作家の「館シリーズ」を読んでいたのだった。入院が決まった時も、このシリーズが読みたいと思い、最初の外出許可をもらった時に本屋へ行った。「十角館の殺人」「水車館の殺人」「迷路館の殺人」「人形館の殺人」と読んだので5作目の「時計館の殺人」を読みたかったが、行った本屋では売り切れであった。しかたがないので、6作目の「黒猫館の殺人」を買ったわけだが、心配していたとおり、5作目がらみのことが書かれていて「しまった!」と思ったのだった。それに、女性が好んで読む有名なある小説も読んでおくべきだったと後悔したのだった。それにしても、文章によって勝手に騙され「また、やられた」という後悔する気分にさせられたが、地球規模のトリックにはうれしくなってしまった。やはり自分は、こういった読者の先入観で内容を惑わせる推理小説が好きですね。もし、シリーズを続けて読んでいれば自分の先入観に注意しながら読むだろうが、忘れた頃に読むものだから素直に気持ちよく勘違いし騙されてしまう。 で、この綾辻さんの奥さんが小野不由美さん。「十二国記」の作家なのです。入院時には彼女のホラー小説「魔性の子」も読んだ。こちらはアニメ十二国記をテレビで見て感動してしまい、何年か前に買っておいた本で、十二国記の人物が登場する話。十二国記のアニメを見たり、原作を読んでしまった後なので主人公「魔性の子」の正体を知っているのでホラー気分にはならなかったが、アニメの彼の姿や声まで脳裏に出てきて、サクサクと読んでしまいました。そのうえ、十二国記の他のエピソードまで思い出して楽しませてくれた。それにしても、文章というものはおもしろい。読み手に知識があれば知らない人よりも深く楽しめるし、逆に知識が邪魔をしてコロっと騙されたりすることもある。それに日本の文章というのは、ひらがな・カタカナ・漢字、さらにはアルファベットまで組んでいるので、文章を見るだけでも内容が理解しやすい。これは日本の文章の優れたところだと思う。もしも自分が西洋人や中国人だったら、砂漠のような文字の連続で本が好きになったか疑問に思うところだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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