カテゴリ:●読書
「霧越邸殺人事件」を読み終わった。作者は自分と同世代なので、「見立て殺人」として使われる童謡がなんとも懐かしかった。でも、今の20~30代の読者だと、ちょっとピンとこないかもしれない。僕も学生の頃は、横溝正史のミステリーをけっこう読んだが、やはり物語には戦時中・戦後の時代背景があったので、ピンとこなかった記憶があるからだ。「霧越邸殺人事件」は、物語の舞台となるのは摩周湖のように霧に包まれた湖畔に建つ豪邸。犯人は誰か、ほとんどの読者が読み始めたら意外と早くわかるように書かれているためか、今回も気持ちよく読み終わった。読者の先入観を利用した「あっ」と驚くようなどんでん返しは弱めだったので、読み終わってから、もしかしたら文庫本そのものに何か仕掛けが隠されているかなと探してみたら、小野不由美さんがカバー装画を手がけたようで名前が載っていた。「十二国記」の作者の小野さんが、デザインをしていたなんてなんかステキな仕掛けだなぁ。 ところで、ミステリー小説というのはおもしろい一冊読み終わるとやめられなくなる。人によって違うと思うが、自分の場合は脳にほどよい刺激を受け、やめられなくなるタイプらしい。というわけで歴史物はお休みして、次に読むのは森博嗣・著「詩的私的ジャック」。ちょうど綾辻さんの「館シリーズ」を読んでいた頃、MMOで知り合ったプレイ仲間が薦めてくれた作家だった。彼の大学の先輩だということなので、早速「すべてがFになる」という本を読んだら、あまりにも魅力的で天才的な犯罪者が登場していて、「冷たい密室と博士たち」「笑わない数学者」と続けて読んだが、3冊目の舞台トリックが易しすぎて、それ以来読むのをやめていた。主人公はN大学工学助教授とお嬢様学生というコンビで、アニメから飛び出したようなキャラで若者向きのミステリー。この作家も同世代なので、どうしても自然とアニメやマンガの影響が出ちゃうんだろうね。僕だけかもしれないが、読んでいて実際にいる役者の顔よりもアニメのキャラ顔を思い浮かべてしまうのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 20, 2010 07:55:03 PM
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