カテゴリ:●読書
300万部突破!と帯に印刷されているからという先入観を0%にしても、本当におもしろいエンターテイメント色の濃いミステリー小説だった。登場人物の描写が巧みなのでキャラ像がはっきりとインプットされ、アニメを見ているように気楽に楽しく読み終えてしまった。最近はアニメに変換しやすい小説が多く、人気が出るものなんですかねえ。気楽に読めた理由は、犯人が「悪」に徹して終わってくれたこと。初めて出会ったミステリー小説を気楽に読むには、これってけっこう必要なことなのです。なんたってミステリーには「殺人」がからんでくるから、リアルに置き換えたらゲラゲラと笑って済まされる内容ではないのです。例えば何度も再放送している時代劇の「水戸黄門」などと同じで、善と悪がはっきりとしていて何度見ても後味が良いし、すっきりした気分になれる。それと逆に、犯人の「善」の部分が多く語られ、犯行後、これはかわいそうだとか何とかしてあげられないのかと同情してしまう物語は、どうも後味が悪い。さらに社会のせい、学校のせい、組織のせいなんて理由付けしているのは幼稚っぽいし嫌いなのです。せめて家庭のせいということならば納得するのだが…。あと、子供を守るために犯罪を犯してしまうというのも読んでいて辛いものがある。 このシリーズの1作目「チーム・バチスタの栄光」の前に読んでしまった「ナイチンゲールの沈黙 上巻」と違って、普通に探偵役の主人公2人の漫才のようなノリノリな展開で事件を解決に持っていく。それに最初から主人公の一人の「俺」という一人称で語られているので、善と悪がはっきりとしていて「水戸黄門」のように気楽に楽しめる。これで、このシリーズのノリがわかったので2作目の「ナイチンゲールの沈黙 下巻」を読むための予防接種は済ませた。上巻は別の物として、これから始まるであろうドタバタ劇を読み始めようと思う。一人称を使ったミステリーは「アクロイド殺害事件」があまりにも有名で、読んだ人には強烈にインプットされていまうので、これに真っ向から挑戦するタイプは少ないから頭を使わずに気楽に楽しく読めるという利点もある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 16, 2010 12:58:51 PM
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