カテゴリ:●読書
僕が「ナイチンゲールの沈黙」を読んでいて連想したのは、アヴェ・マリアのメロディーだけではなかった。僕と同世代の人なら、昔は小学校の図書館には偉人の伝記が多く置いてあったのを覚えているだろうか。僕の場合は、当時は探検家リビングストンとシートンが大好きだった。多くが男性の偉人の本が並ぶ中で、女性の名が混じっていて目立っていたことを思い出してほしい。きっとその名はヘレンケラー、そしてナイチンゲール。フローレンス・ナイチンゲールが置いてあったと思い出す人が多いと思う。子供が読む本だから内容も短いものだが、唯一の女性の偉人というくらいの強烈な印象が僕には残っている。クリミア戦争での天使、敵味方差別無く看護、命の大切さなどが断片的ではあるが、脳の奥の方にきっちりとインプットされてしまっている。それほど、子供の頃に読んだ絵本や児童書は、自分の考え方や生き方に影響を与えているほど強いと思っている。小学校の頃に図書室で読んだフローレンス・ナイチンゲールのことは、その後の人生では忘れてしまっていた。忘れてしまったのも無理は無い、ナイチンゲールのことが書かれた書籍は児童書意外では見当たらないからだ。 先日、「ナイチンゲールの沈黙」を読み終わり、そういえば何かの本でナイチンゲールのことを読んだなと思い、探してみたら見つかった。その本が「大英帝国─最盛期イギリスの社会史」という講談社現代新書。この本を読んだ当時、旅行会社のパンフレットをデザインしていた事と趣味で木製帆船を造っていたので、興味を引かれて読んだ本だった。この本を読んだことで、看護職の地位向上、病院の衛生面、「看護覚え書」などを残したなどがナイチンゲールの知識としてプラスされたのだった。ナイチンゲールが残した「看護覚え書」は、きっと看護学校で必読書なのではないかと願っている。機会があったら、看護師さんに訊いてみようと思う。ナイチンゲールが生きた時代は、日本では幕末・明治の頃。今は「龍馬伝」が人気なので、龍馬たちが憧れ恐れた当時の英国を知るにはちょうど良い本。残念なのは「龍馬伝」は、もうすぐ終わっちゃうけれどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 20, 2010 09:53:52 PM
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